観たいとは思っていたものの、どこか気が引けて観れていなかった。
概要は当時のCMを観ていただければつかめると思う。
けっこう観たこともある人が多いと思うので、あらすじも抜粋。
ある中学校、雑然とした教室。
終業式のホームルーム。1年B組、37人の13歳。
教壇に立つ担任・森口悠子が語りだす。
「私の娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、
娘は事故で死んだのではありません。
このクラスの生徒に殺されたのです」
一瞬、静寂に包まれる教室。
物語は「告白」から始まる。
この辺は上のCMでもバンバン流れていたので、知っている人も多いだろう。
僕はそこで完結するのかと思っていたが、ここがスタートポイントだった。
そこからは、オムニバス形式で関係者が告白していくという形式をとっている。
細かなことは書かないが、少年法に対して大きな波紋を投げかけているのではないだろうか。最近で言えば、無免許、未成年が暴走運転で何人か殺してしまったケースがあったが、あの事件も似たような法解釈によって加害者が保護されているとも言える。
作品を見ながら、「ペイ・フォワード」の全く対極にある作品で、憎しみという負のマルコフ連鎖が蔓延していくようだと感じたし、それによる状態遷移が場に認知的不協和を巻き起こすなどの心理学描写もかなり緻密であったと思う。それでいて、納得感のある描き方だったことも舌を巻いた。
今更ながら観たが、大変に面白かった。湊かなえさんは本作品がデビュー作らしい。
今後の作品にも大いに期待したい!
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