2012年8月29日水曜日

選択の科学を読了した!

選択の科学

出版時期は大変に話題になった「選択の科学」
ようやく読了しました。
ちょっと懐疑的な目線だったのですが、本書はとてもすばらしかった。

選択という行為は日々生活を行う中でも常に行われるものです。
その選択について、数々の実験結果を包み隠さず記載しているすばらしい内容。なるほど、たしかにリサーチャーや心理学者などは本書を絶賛する訳だ。

一番の代表例を1つピックアップ。

「ジャムの法則」はアイエンガー教授が、ドレーガーズという高級スーパーマーケットを舞台に、1995年に行った実験で、「豊富な選択肢は売り上げをあげる」というお店の方針を実証しようとするものでした。ところが、結果は逆、24種類のジャムを売り場に並べたときと、6種類のジャムを売り場に並べたときでは、前者は、後者の売り上げの10分の1しかなかったのです。 この結果が実証的に確かめられると、金融商品のバリエーションから、洗剤などの消費財、はては、コンサル会社のコンサルの方法まで、選択肢を絞ることで、顧客満足をあげるというふうに変わっていったのでした。

こんなネタが約300Pのハードカバー本にたくさん載っています。
気になる方はぜひ本書を読まれるとよいでしょう。
訳本だからかもしれないですが、少し冗長的な構成だったかな。
もう少し整理と体系立ててくれればもっと良かったように思います。星は4つ。

■目次
オリエンテーション 私が「選択」を研究テーマにした理由
第1講 選択は本能である
第2講 集団のためか、個人のためか
第3講 「強制」された選択
第4講 選択を左右するもの
第5講 選択は創られる
第6講 豊富な選択肢は必ずしも利益にならない
第7講 選択の代償
最終講 選択と偶然と運命の三元連立方程式

2012年8月25日土曜日

ビッグデータビジネスの時代を読了した!

ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略

NRI鈴木さんによる「ビッグデータ」が世間をにぎわせるようになった火付け役の書籍(と個人的ににらんでいる)を読了した。
2011年11月に出版されているように、まさに昨年のNRIさんの2015年までのITロードマップに則したような内容、タイミングで出版されていたので、少し勘ぐっていた。
本書は下記の内容について触れられている。

・ビッグデータビジネスとは何か?
・ビッグデータビジネスの効用と活用事例
・主要陣営の戦略とビッグデータ活用を支える技術
・ビッグデータ活用に向けた3つの阻害要因
・ビッグデータビジネスの将来予測

データ界隈を取り巻くマクロ環境に触れてはいるものの、HadoopやNumpy、Scipyなどにも触れられており、著者の取材力、情報収集力の高さを知ることのできるものだった。

様々な課題はあれど、やはり人材不足は引き続き懸念される点であると思う。これはいち分析者としても思う点は多々あるし、自分もまだまだであるので、かなり早急に対策をする必要がありそうだ。

とある勉強会で著者本人とお会いし、非常にユーモアと知性のある方だと認識して読んでみて、疑いはなかった。終わりにその会のことにも触れられている。ぜひみなさんにもご一読することをお勧めしたい。

2012年8月19日日曜日

佐藤可士和のクリエイティブシンキングを読了した

佐藤可士和のクリエイティブシンキング

アートディレクターの佐藤可士和さんの著書。
なんとなく積読だったので、さらっと読んでみた。
前著の超整理術を過去に読んだので、エッセンスはわかっていたが、今回の本はよりクリエティブシンキングを発揮するためにはという内容にフォーカスしていた。

ビールのCMでの親子演出や幼稚園の発想など、非常に面白い内容もあった。
デザインは機能の一番外側であるとは言い得て妙で納得。
また、彼が音楽やスノーボードにもはまった経験からくる、”バランス”についての言及は同じウインタースポーツをやっていた自分としては共感のできる主張だった。

オススメです。

■目次
1 クリエイティブマインドを作る
 その前提は正しいか?―疑うことがクリエイティブの出発点
 人の話を聞く―相手の本意を引き出す問診力
 悩んだら気持ちを書いてみよう―自分の気持ちを整理する
 見立ての習慣、身につけよう―比喩することで本質が伝わる
 自分の仕事を描いてみる―言葉より伝わるビジュアルの力
 記憶の検索エンジン―気になることにタグを付ける
 心をつかむプレゼンテーション―説得よりも共感を)
2 試してみようクリエイティブ
 リサーチよりもリアリティ―時代のキーワード“リアリティ”
 お客様目線とお茶の間目線―似て非なるユーザーと世間
 何でもメディアになる―既存メディアの枠を打ち破る
 主体性の引き出し方―仕事を“自分事”にさせる
 強いチームの作り方―適材適所のプロデュース能力
 ストーリーを描けるか?―コンテンツからコンテクストを作る
 デザインは付加価値か?―ビジョンを形にする)
3 こんなところまでクリエイティブ
 働き方をデザインする―環境から組織まで
 オンとオフを無理に分けない―仕事と休暇をリンクさせる
 ハマれるものを見つける―突き抜けると本質が見えてくる
 アナログ感覚を取り戻す―リアリティのセンサーを研ぎ澄ます

2012年8月11日土曜日

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。を読了した

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

フリーランスを代表して申告と節税について教わってきましたは、長らく人気のある書籍である。

フリーランスではないが、申告や節税に関する知識を入れたいと読んでみました。超初心者が専門家に聞くという形式でカジュアルな形で進行していく点など、入りやすい形がとても良かった。

白色申告と青色申告の違いや青色の中での違い、そして帳簿の付け方や考え方などを平易にわかりやすく説明してくれる内容は目から鱗。

サラリーマン行業をやっていると、あまり直面する機会はないけれども、こういった観点を知っておくことは後々、とても重要だと考えているので、良かったなぁ。
オススメの1冊。

■目次
第1章 税金ってなんぞや?
第2章 カシコクいこう社会保険
第3章 記帳業務はシゴトの家計簿
第4章 ムダなく納税の青色申告
第5章 知らずにすまない消費税
第6章 いずれは見すえる法人化
第7章 しのびよる税務調査の影

2012年8月5日日曜日

コミュニケーションは要らない by押井守 を読了した

コミュニケーションは、要らない (幻冬舎新書)

押井守監督の書籍。
前回の凡人として生きることに続いて幻冬舎新書で出ている。

これは3.11の震災後にツイッターなどをはじめとしたソーシャルメディアがもてはやされたことへのアンチテーゼ、または日本人への警鐘としてのメッセージが書かれている。

目次
第1章 コミュニケーションのできない日本人
第2章 僕は原発推進派である
第3章 曖昧な言葉が生む無責任な世界
第4章 日本はまだ近代国家ではない
第5章 終わりなき日常は終わらない
第6章 自分の頭で考える―本質論の時代

ここに書かれていることすべてに同意するわけではない。
けっこう極端な意見も見えるからだ。
実際、彼はネットを利用しないらしいので、ネットの持つパワーにはステレオタイプな観点でしか指摘ができていない。
言っていることは最もだが、それがすべてではないのだ。

しかし、彼の原発へのそもそもの経緯や歴史から見直すべきという指摘は大変参考になったし、たしかにその通りだと思うこともままあった。
それほどのボリュームでもないし、一読に値する内容であると僕は思う。

そんなこんなで最近、攻殻機動隊を見直している。

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