2016年2月21日日曜日

不動産証券化とJ-REITがわかる本を読了

図解 不動産証券化とJ-REITがわかる本

ちょうど、REITについて知識を入れたかったので、読了。
先日のJ-REITファンに参加するための予習みたいなもの。

J-REITファン

全般的にREITに関する内容が書かれていて、とても良かった。
下記の目次の内容を見ていただければそれは伝わるだろう。

第1章 不動産証券化の歴史
第2章 不動産証券化の仕組み
第3章 不動産証券化に係るテクニックとインフラ
第4章 不動産ファンドの動向(1)――私募ファンド
第5章 不動産ファンドの動向(2)――J-REIT
第6章 不動産ファンドの動向(3)――オープンエンド型ファンド(私募REIT)
第7章 不動産証券化を支える法制度
第8章 オリジネーターから見た会計上の留意点
第9章 不動産投資を理解する判断指標 
第10章 不動産証券化のケーススタディ
第11章 欧米に学ぶ不動産証券化の問題点
第12章 不動産の環境対応─―環境配慮型不動産



主に良かったと感じたのは、不動産証券化における仕組みでAMやPMに関する役割を知れたことや、SPCの役割や目的、資金調達手法のそれぞれ(エクイティ、デットなど)を理解できたこと。
私募REITに関しては当初は目論んでなかったが、意外と色々知れて良かった。
あとワールドREITに関しては法整備の関係上、投資対象が少し異なることもあることがわかったのも良かった。
あとは9章の判断指標。これが最も知りたかった。忘れないように単語だけメモをしておく。
■収益率をチェックする指標
- キャッシュフロー
 グロスキャッシュフロー
 純収益
  NOI(ネット・オペレーティング・インカム)
  NCF(ネット・キャッシュ・フロー)
- キャップレート
- IRR (Internal Rate of Return)
- 不動産投資インデックス
■価格の妥当性を検証する方法
DCF法
■投資の安全性をチェックする指標
LTV (Loan to Value)
DSCR (Debt Service Coverage Ratio)
イールド・ギャップ
リスク・リターン
最近はシェアリングエコノミーも普及しているし、証券化においてはもっと深化させて理解していきたいと思う。
本書は良書だった。

2016年2月13日土曜日

破産する未来 少子高齢化と米国経済を読了した

破産する未来 少子高齢化と米国経済
破産する未来という興味深いタイトルの本書。
なんのきっかけだったか全然覚えてないが、Amazonの欲しいものリストに入り続けておりついに買って読んだ。

概要はこんな感じだ。

2030年、米国ではベビーブーム世代の完全引退で年金・医療費の負担が耐え切れない水準にまで上昇する!―本書が赤裸々に描き出す米国の戦慄の未来は、少子高齢化がさらに深刻な日本にこそ当てはまる。しかも、この悪夢のシナリオはすでに始まっているのだ!「世代会計」が明らかにした少子高齢化の恐るべき真実。

本書の原著者のコトリコフは世代会計の手法の提唱者らしい。結局のところ、先進国が抱える少子高齢化の先にある政府の財政赤字をいかにして解消するかという問題なのだが、将来世代に対して潜在債務として先送りできている状況というのが問題だし、それを気づいているかいないかはわからないが、放置されている現状だと思う。

本書は2004年頃のアメリカの話ではあるが、読んでいて今の日本の人口動態とフィスカルギャップの話にドンピシャに当てはまるし、興味深く読めた。
年金、医療費の政府支出の割合は年々増えている。
政府の予算申請などを鑑みても明らかだ。
少しづつ、負担のどころを個人の方にシフトしていくソフトランディング手法で移行してきているような気がしている。

だが、他にも支出要素があるし、赤字の多くを国債発行により補填しているので、今後インフレ目標2%を目指す政策にした際に利息による支出が多くなり、複利的に債務が膨らむんじゃないかという不安に駆られている。
あらためて、この問題を深く考えていけるような感じになってきているので、マクロの動学的均衡論なども含めてインプットしたい。本書はその意味でも良い内容だった。

■目次
第1章 赤ん坊から老人へ
第2章 真実は小説より悪い
第3章 ニューヨークの地図でロサンゼルスを走る
第4章 強壮剤、怪しげな薬、その場しのぎの応急処置
第5章 臨界に向かって
第6章 進路を変える
第7章 ライフ・ジャケットにしがみつけ!
第8章 自分の未来を救おう

金融マーケティングの考え方とやり方を読了

金融マーケティングの考え方とやり方

■概要
なぜ高い費用をかけたマスマーケティングの効果が薄れているのか。金融機関と顧客(生活者)との間に横たわる認識ギャップを整理したうえで、店舗、コー
ルセンター、インターネット等のチャネル選択、マス広告・ネット広告等の集客策、SNS、デジタルマーケティングとデータ活用法など、リテール業務の収
益性を高めるためのマーケティング戦術を、浜松信用金庫、第四銀行等の事例をまじえて説く。

以下はメモ
個人と金融機関に携わる課題
「金融機関側は常日頃から金融商品を売りたいと願い、戦略を入念に検討し実行に移すが、生活者側は金融商品に関心があることはない、むしろほとんどの場合興味がない」

金融商品の現状
- 本来は高関与商品であるべきだが、実態は低関与商品
- 生活者に金融機関が好き、金融商品が好きという人がほとんどいない

金融機関のブランド力の低下

店舗戦略施策例
浜信きらり支店(http://www.hamamatsu-shinkin.jp/topics/news/20131118_1342.html)

今の生活者の特性
「なんとなくの信頼ではなく、実利を伴わないと人は動かない時代になった」

第四銀行の施策
若年層との接点が希薄。キャッシュカード一体型クレジットカードを作ってもらう

YouTubeで展開
LINE@導入 (FB,Twitterと違い、炎上リスク低く、導入コストも安いため始めやすい)
→位置付けは店舗への送客
無料の相談チケット
ラッピングバスを走らせる

生活者の想起率を高める

ライフイベントの補足とそのプッシュ施策はずっとやってきた
今後はライフイベントではなく資金ニーズそのものを探す動きが必要

リスティング、DSP、DMPなどによる獲得の話

リアルタイムチャットの事例
みずほMessenger
http://www.mizuhobank.co.jp/messenger/index.html

これからのマーケティング戦略
- 対面の集中と戦略
- 非対面強化

いずれにしても、多少の業界変動は起きそうだなと思った。

■目次
第1章 個人領域の目的は「収益源」、その手段は「効率化」(チャネルの最適化を図った結果
課題:チャネル最適化の弊害が出始めている
施策)
第2章 テクノロジーを使った収益源の拡大とさらなる効率化(いまこそ、生活者に近づこう)
第3章 インターネットが変える、コミュニケーションのあり方(ダイレクトマーケティングを金融分野に適用したときの課題
セルフサービスが前提の日本のウェブコミュニケーション
LINEで根づいたメッセージング(チャット)文化
欧米のトレンド「ウェブ接客」
日本のセルフサービス型のウェブサイト ほか)

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