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2017年10月14日土曜日

成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法を読了



成人発達理論による能力の成長という興味深いタイトルの本を読んだ。
これを読んだきっかけは、インクルージョンジャパンの吉澤さんの関連するイベントで知り合った元教員で今はベンチャー企業で働いている方がFBで絶賛していたからだったように記憶している。

本書の概要は下記の通りだ。
■能力開発の領域で、欧米同様に日本でも近年注目されている成人対象の「発達心理学」。ハーバード大学教育大学院(HGSE)を中心に研究が進み、ロバート・キーガン教授らの成果が『なぜ人と組織は変われないのか』『行動探求』(ともに英治出版)、『なぜ部下とうまくいかないのか』(小社)などの書籍として日本で紹介されています。
■キーガンの理論では、人間の器(人間性)の成長を中心に取り扱うものですが、人間性が高いにもかかわらず、仕事の力量(スキル)は低いという人も見受けられます。そこで本書では、その矛盾を是正するものとして、スキルの成長にも焦点を当てた、HGSEカート・フィッシャー教授が提唱する「ダイナミックスキル理論」に基づく能力開発について事例をもとに解説します。
■キーガン教授およびフィッシャー教授とも親交のあった著者が、日本の人事部門や管理者など能力開発を担う実務家を対象に、スキル開発のメカニズムとプロセスを解き明かし、その実践法をわかりやすく丁寧に解説します。そして各項目ごとに「成長レシピ」というエクササイズを設け、本を読み進めながら実践を行う編集になっています。 
■また、本書の内容を補完するコラムは、コーヒーブレークとして楽しい内容ばかりです。

目次は下記の通り

目次 

■はじめに

さらなる「自他成長」が求められる現代社会

■序 章

自他成長を促す「知性発達科学」
 能力開発と知性発達科学
 ロバート・キーガンが提唱する「器」の成長モデル/カート・フィッシャーが提唱する「能力」の成長モデル
 本書の実践的活用法

■第1章 「ダイナミックスキル理論」とは

「ダイナミックスキル理論」の概要とその誕生の背景
 能力の成長プロセスを何かに喩えてみる
 スキル開発の問題
 能力の「環境依存性」
 能力の「課題依存性」
 能力の「変動性」
 「サブ能力」に焦点を当てる
 「最適レベル」「機能レベル」「発達範囲」とは

■第2章 大人の能力の成長プロセス

「マクロ」「ミクロ」「メソ」な成長
 「フラクタル」な成長
 能力の「ネットワーク的成長」
 成長サイクル内で見られる「質的成長」と「量的成長」
 能力の成長に関する5つの法則
 第1法則:統合化/第2法則:複合化/第3法則:焦点化/第4法則:代用化/第5法則:差異化

■第3章 自他の能力レベルを知る

レベルとは「高さ」や「深さ」である
 なぜ自他の能力レベルを知ることが大切なのか
 フィッシャーが提唱する5つの能力階層
 5つの能力階層と「点・線・面・立体」の成長サイクルとの関係
 フィッシャーが提唱する13の能力レベル
 言葉の力と実践力が持つ密接な関係
 抽象性と再現性
 一流のアスリートと持論形成力
 知識の圧倒的な欠落と言語化の鍛錬不足
 フィッシャーが提唱する能力の高度化の意味
 プロフェッショナルに求められる能力レベル

■第4章 既存の能力開発の問題点とその改善法

既存の能力開発の問題点
 問題点1:変動性の無視
 問題点2:生態学的妥当性の無視
 問題点3:多様な能力領域・多様な成長プロセスの無視
 どうすれば成長を促すトレーニングが実現されるのか
 変動性の3種類のノイズ
 1人ではできないことを「できる」に変える
 他者を通じたさらなる成長と他者のさらなる成長を支援するために

■第5章 「マインドフルネス」「リフレクション」「システム思考」との統合

マインドフルネス瞑想の落とし穴
 マインドフルネス瞑想の有効活用
 フロー状態を生み出す
 リフレクション(内省)の落とし穴と有効な活用法
 概念化とシステム思考

■おわりに さらなる自他成長へ向けて 


ロバート・キーガン教授といえば、「なぜ人と組織は変われないのか」という本が少し前に出ていたが、その原著者である。
最近では、「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」がよく目につくので、装丁を見れば同一系書籍だと気づくだろう。
こちらの2つは読んでいないが、基本的にフォーカスポイントの違いであり、発達型組織の論点は同じだろう。

学問的らしく、いくつかの法則や13の能力レベルなどの定義なども出てくるが、個人的にはその辺というよりもやっぱり本書を通して能力の成長が継続的にできるにはどうしたらよいかという問いを立てて読み進めていくのがいいんじゃないかと思う。

特に個人的には第4章がおすすめである。
ぜひ読んでみてほしい。

折しも、近々で成長を促されるPJを推進したこともあり、いい感じにリンクして読み進めることができた。
コルブの経験学習モデルにおける記述もあるが、やはり能動と内省はきちんと繰り返しておくべきだなと改めて思った。

最近はHRTechがわりと流行っていて、いくつかのビジネスも興隆していることは知っているのだが、その辺の人や組織のマネージャーなとはけっこう読むと知見が得られるような気がする。すぐ外に能力を持った誰かを期待するのではなく、現有戦力を戦力アップしつつ何か目的を達成するにはどうしたらいいかなどの課題を抱えている方にはいい示唆が得られうこと請負である。

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