2013年12月25日水曜日
財政危機と社会保障を読了した!
少し前にtwitter上で誰かが良書と言っていたので、社会保障や財政に関して思うところがあって手に取ってみた。
著者は元日銀の調査員で計量マクロモデルを行っていた人らしい。
そこから社会保障を学ぶために大学院に行ったという経歴。
内容は2010年の出版なので、当時の民主党政権の話が多いのだが、根底に横たわる財政問題と社会保障問題に関しては今もなお、根強く残っているので、問題ないと思う。
目次としては以下の通り。
【目次】
第一章 「日本の借金」はどのくらい危機的なのか?
第二章 「強い社会保障」は実現可能か?
第三章 世界最速で進む少子高齢化、人口減少のインパクト
第四章 年金改革は、第二の普天間基地問題になるか
第五章 医療保険財政の危機と医師不足問題
第六章 介護保険財政の危機と待機老人問題
第七章 待機児童問題が解決しない本当の理由
第八章 「強い社会保障」ではなく「身の丈に合った社会保障」へ
奇しくも来年度の予算案が先日審議に通ったわけだが、そこをちょっと見てみる。
グラフで見る2014年度政府予算案
社会保障費は1.3兆円ずつ固定で伸びると著書で指摘されているが、概ねその通り推移しているようだ。一般会計上は支出は抑えられているように見えるが、簿外にも計上されている負債もあるというし、年金の積立不足による表面化されていない膨大な債務もあるということだから、なかなか余念は許されない。
本書において、管政権における増収と強い社会保障の否定は、現自民党政権下におけるアベノミクスにおける景気回復で筋道を立て、消費税増税によって多少改善は見られているようだ。
後は、社会保障関係費の圧縮推進とプライマリーバランスの見直し(どうやらこれは国際公約になっているらしいことを本書で知った)を推進してもらいたいところだ。
目下においては、2020年の東京オリンピック招致成功における公共事業の拡大による雇用創出は見込めるため、もうしばらくの維持はできるだろうが、増税における消費の冷え込みなども懸念されるので、早めの展開を期待したい。
世代間格差の件は個人的にはおそらく解決できないので、本書のハードランディングシナリオのいずれかによって解決するだろうと思うが、どうなのか。。
いずれにしても、良書だったので、新書だし、読んでみると良いかも。
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