2014年10月12日日曜日

データの見えざる手を読了!

データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

「データの見えざる手」を読了した。
最初は本屋で見かけたものの、右開きのエッセイちっくな内容そうだったので敬遠していたが、知人のデータ解析者が絶賛していたため、読んでみたところ、非常に興味深い内容であった。
ウェラブルセンサーによって、自身の行動の記録をつけ、それを解析することによって人間の行動は物理方程式で説明できたり、U方程式を見つけ出したりする箇所は、自分も過去にNike Fuel Bandを2年弱つけてみて思ったことの進化版だったので、示唆に富んでいた。

他にも日立のネットワーク分析の内容が過去に紹介されていたので、知ってはいたが、その内容にも触れられていた。ネットワークを学んだことのある人には既知の内容だが、そうでない人には平易に書かれているので、おススメしたい。

日立のHというマシンの登場によって、ビッグデータの解析が可能になったというが、ちょっとこの辺はもう少し詳しく知りたいと思うのは職業柄なのだろうか。自分のデータの特徴量を発見するためにマシンの算出する相関などを見ると、説明が後でつけられると思うのだが、そうでないデータの場合、この運用は難しいと感じた。

いずれにしても、非常にいい内容だったので、データに関連のある人にはぜひ一読を勧めたい。

目次
イントロダクション

第1章 時間は自由に使えるか
人間行動に法則性はあるか
時間の使い方は意志により自由になるか
万物を支配するエネルギー保存則は人間にも効く
人生を俯瞰することを可能にする「ライフタペストリ」
腕の動きを数えるとわかる驚くべき法則性
右肩下がりの分布が社会を支配するという謎
……ほか

第2章 ハピネスを測る
人間の幸せを制御するテクノロジーは可能か
幸せの心理学「ポジティブ心理学」
社員のハピネスを高めると会社は儲かる
幸せを感じていることをセンサで測ることができる
行動に隠された符号を読み解く
休憩中の会話が活発だと生産性は向上する
……ほか

第3章 「人間行動の方程式」を求めて
人間行動には方程式があるのか
そもそも「方程式」とは何なのか
人との再会は普遍的な法則に従って起きる
面会確率を基準に考えると時間の流れは一様ではない
1/Tの法則はメール返信などほかの行動にも
行動は続けるほど止められなくなる
……ほか

第4章 運とまじめに向き合う
偶然はコントロール不能なものなのか
運は人との出会いによってもたらされる
運と出会いを理論化・モデル化する
「到達度」は本当に運のよさの指標になっているのか
運のよい人は組織のなかでどこにいるか
「リーダーの指導力」と「現場の自律」は矛盾しない
……ほか

第5章 経済を動かす新しい「見えざる手」
社会を科学できるか
「買う」ということは科学的によくわかっていない
経済活動を科学的に解明するにはどうしたらいいか
購買行動の全容を計測するシステム
コンピュータvs人間、売上向上で対決!
自ら学習するマシンが威力を発揮する時代
……ほか

第6章 社会と人生の科学がもたらすもの
瀬戸内海・直島で未来を描く
社会を対象とした科学の急速な進歩
サービスと科学を融合させる、データの指数関数的拡大
グランドチャレンジ「直島宣言」
まとめ――人の生命力の躍動

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