2015年2月24日火曜日
コンテキストの時代―ウェアラブルがもたらす次の10年を読了
IoT時代と叫ばれる昨今にふさわしい内容のコンテキストの時代。
従来はPCやスマートフォンのログ、つまりApacheやNginxのログなどをさしていたが、ウェアラブルデバイスの登場によって、そのログの意味合いが大きく変化していくのではないかということをつらつらと書いた本。
基本的には自動運転やグーグルグラスなどの話が多いのは時代によるだろう。
現時点では、グーグルグラスは成功していない。
しかし、いずれ普及することは請け合いだろう。
ある観測データからそのコンテキストを読み取り云々という書くと1行で伝わりやすいコンテキストを実現する事がいかに難しいか、またそれを実現しようと今現在躍起になっている私も含めた多くのビジネスパーソンに期待したい。
いい世の中は近い。
■目次
序文 マーク・ベニオフ
セールスフォース・ドットコム創業者、CEO─
イントロダクション 迫りくる嵐
01 5つのフォースが未来を支える
02 顧客のコンテキストを読みとる
03 コンテキスト自動車への道
04 自動運転車でドライブする
05 未来をつくる新都会派の人々
06 医療とヘルスケアにも浸透し始める
07 グーグルグラスでのぞく世界
08 なぜウェアラブルが重要なのか
09 パーソナル・アシスタントがやってくる
10 コンテキストのあるわが家は最高
11 ピンポイント・マーケティング
12 信頼こそが新たな通貨
少し思いを書く。
僕がこのような話に興味を持ったのはSFが好きだというのもあるが、かつて高校生の頃に見学に行ったシャープで近未来のハウスという形で、センサーによる様々な事例のイメージが紹介されていた事だ。
これは後のユビキタス提案の土台となり、今のウェアラブル、コンテキストの萌芽ともなっていると思うが、センサーによる管理された家の時代に憧れを持っていたのかもしれない。
その未来が現実味を帯びてき始めると、ワクワクする人もいる一方、プライバシーなどのセンシティブ情報を気にする人も出てくる。
これはアウフヘーベン的にはとても良いと思う。テーゼに対してアンチテーゼがあると摩擦を生み、アウフヘーベンが促進されるからだ。
イノベーションの文脈で言っても、シュンペーターの新結合などがそのような比喩になるはずだ。
ムーアの法則によるテクノロジーの発展は言うまでもないが、同法則の成長率は完全にサチっている。これからは別の要素が必要だ。それまでみんなで突っ走ろう。
時代は誰にも止められない。
2015年2月22日日曜日
フットボール批評issue03 ~監督失格~を読了した
今回のフットボール批評のタイトルは「監督失格」
非常に興味深い内容だ。
本書執筆時点ではまだアギーレは解任されていないが、結局スポーツ裁判署の申し立てが受理され、解任の憂き目にあっている。
それはともかく、様々な将のそれぞれの話にはかなりの力があるものだ。
僕はジェフのファンなので、関塚さんの話に関してはかなり楽観に受け止めた。
フットボールチームも長く低迷する事もあれば、ガンバのように挫折を乗り越え、返り咲くこともあるわけだ。その観点において、監督の演じる役割は大きいだろう。
サッカーだけでなく、広くマネジメントにおいて、興味深い内容であったので、星4つ。
余談だが、現時点ではアギーレの後任監督は決まっていない。
候補とされる監督はラウドルップやスパレッティ、ビエルサなどの名将ばかりだ。
これは前監督であるアルベルト・ザッケロー二氏の功績によるところも大きいし、現在のブンデスリーガでの日本人選手の活躍なども寄与していることだろう。
どういう監督になるかはJFAの原さん含むチームの選定にゆだねることになるが、セレクターだけでなく、緩慢さを律するディシプリンを要求できるフィロソフィーを持った監督を招聘してもらいたいものだ。
■内容
[特集] サッカー監督の生きる道 チームの不振は監督の責任か? フロントの責任か?
世にも不思議な「監督失格」理不尽さと隣り合わせの監督たち/西部謙司
アギーレは「監督失格」か?今こそ改めるべき代表監督の評価軸/小澤一郎
[INTERVIEW]
尹晶煥(ユン・ジョンファン)/静かなる闘将 サガン鳥栖とともに歩んだ9年間の回想/慎 武宏
[INTERVIEW]
城福浩/指揮官のリバイバル プロヴィンチャを率いて変わったこと、変わらなかったこと/飯尾篤史
ファン・ハールは名将か暴君か 「希代の変人」というレッテルを貼られた凄腕戦術家の悲哀/田邊雅之
[INTERVIEW]
カルロ・アンチェロッティ/私の成功と失敗 なぜアンチェロッティは「名将」と呼ばれないのか?/クリスティアーノ・ルイウ 宮崎隆司
[INTERVIEW]
ズデネク・ゼーマン/私が守備の国イタリアで超攻撃的サッカーを貫き続ける理由/クリスティアーノ・ルイウ 宮崎隆司
[INTERVIEW]
監督・山口素弘の3年間/横浜FCで貫いた指揮官の流儀/ミカミカンタ
[INTERVIEW]
ランコ・ポポヴィッチ/スペインの名門サラゴサでも貫くポポイズム/森 哲也
サッカー監督の渡世術 バルカン半島をしたたかに生き抜く“チーロ"ことミロスラブ・ブラジェビッチ/木村元彦
[INTERVIEW]
美濃部直彦(AC長野パルセイロ監督)/育てながら勝つ指揮官の情熱と信念/宇都宮徹壱
2014シーズン Jリーグ監督交代総決算 監督を代えた10クラブの悲喜こもごも/海江田哲朗
[INTERVIEW]
元ガンバ大阪監督ジョゼ・カルロス・セホーンの無念/沢田啓明
守備のセオリーに反するサムライたち イタリア人指導者が指摘する個人戦術のミス/フランチェスコ・マクリ 宮崎隆司
[INTERVIEW]
改革元年 Jリーグ・村井満チェアマンが語る変革の真意とビジョン/森 雅史
[サッカー界の差別問題を考える]
セクシュアル・マイノリティの生きる道 スウェーデン女子代表GKヘドヴィグ・リンダールの戦い/鈴木肇
【現地レポート】
メキシコサッカーの真髄を求めて 熱狂のプレーオフ「リギージャ」をめぐる旅/河治良幸・・・ほか
【連載】
風間八宏のフットボール創造記 第16回/木崎伸也
フットボールは横から目線で~時評チップス2014-20152~/佐山一郎
ゴール裏センチメンタル合唱団 50曲目『SWEET 19 BLUES』/綱本将也・・・など
脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方を読了
健康系のアプリサービスを提供している知人が読んで、おすすめしていたので、Kindleで読了。
なかなかボリュームがあってよかった。
ついつい、運動をするというと、重い腰を上げなければならないが、それを行うことで、脳を鍛える事ができるという内容を延々と色々な実験や事例を交えて紹介してくれる。
良書のため非常におすすめ。
■目次
第1章 革命へようこそ―運動と脳に関するケーススタディ
第2章 学習―脳細胞を育てよう
第3章 ストレス―最大の障害
第4章 不安―パニックを避ける
第5章 うつ―気分をよくする
第6章 注意欠陥障害―注意散漫から脱け出す
第7章 依存症―セルフコントロールのしくみを再生する
第8章 ホルモンの変化―女性の脳に及ぼす影響
第9章 加齢―賢く老いる
第10章 鍛錬―脳を作る
ニコニコ哲学を読んだ
cakesで連載されていたドワンゴの川上さんのインタビュー記事をまとめたもの。
色々と思うところがあり、川上さんの考えを知りたくて読んでみたら、けっこう面白かった。
歯に衣着せぬ物言いで軽妙に語っているのは、インタビュアーの功績でもあるだろう。
こういうタイプの人は自らは決して発信しないが、引き出す人がいれば、多くの情報量が溢れてくる。
プラットフォーマーとして、どのような哲学を持っているのかなど、興味深い内容が多かった。
万人にオススメではないが、興味があるならサクッと読めるし読んでみるといいだろう。
■目次
1 KADOKAWA・DWANGOはこうつくる
よくわからないからこそ、解きたいと思う。
国産の大きくて安心なプラットフォームには意味がある。
コンテンツを客寄せの道具にしない。
2 ニコニコ動画のつくり方
CTOとしての公約はインフラ改革と女子マネージャー。
とんでもなく悪いUIをつくる。
「しょうがないな」と思われるポジションをつくる。
エンジニアのサウザー化を防ぐ。
デザイン中心の会社になる。
原理的にどこまでできるかを考える。
3 ニコニコはこう動かす
思想は持たない。
ヘイトスピーチは中身ではなく、手法を取り締まる。
オープンになるほど多様性は減っていく。
クリエイターが奴隷のようになる場所に、ニコニコをしたくない。
インターネットには国境をつくったほうがいい。
4 バカにはバカと言い、計算ずくでバカをやる
世の中が批判しているものは、全部みんなが望んだもの。
バカだとわかって、バカを一生懸命にやるのが一番いい。
新プロジェクト、うまくいくのは勘違いしているバカな馬。
勝つために必要なのは勇気じゃなくて、計算です。
会社である以上、経済合理性で人を雇うべき。
新卒一括採用を否定するのは、バカである。
5 論理をとことん考える。
川上量生はオヤジキラーなのか。
「似ている問題」を論理的に考える。
文系は論理を手段にし、理系は論理で真理を探求する。
不幸な人間だけが夢を持つ。
6 1億年先を考える
経営者になるまで、僕ほど性格がいい人はいないと思っていた。
正義や使命感をビジネスの軸にしてはいけない。
システムと人間性の対立は、歴史の軸になってくる。
人類は滅びないほうがおかしい。
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