日本を代表する大企業トヨタの人材育成について書かれた本。
非常にライトで内容も良いので、大変におすすめ
## 1、人が育つトヨタの考え方
- カリスマはいらない。現場の社員がリーダーになれ
- 一時の結果だけでなく、長期的に育成する
- 人材教育には「技術教育」と「風土教育」がある
- 技術は社外から入れられるが、風土は育成しないとできない
- 自分の分身を作れ
- 人を育てる文化を継承する
- 真のリーダーは部下を伸ばす人
- 仕事のできるリーダーの誤謬(部下に答えを与え、 この通りにやりなさいと指導する。結果、 指示待ち人間ができてしまう)
- 部下を育てるリーダーはプロセスを重視し、 部下に自分で答えを見つけるように促す。結果、部下は成長する
- 設備を新しくするより人を作る方が早い
- 成果は機械でなく、人が作る
- 使いこなす人が成長すれば様々な改善や工夫をして生産性をあげる
- 上司が「本気」で動けば部下も自ずとついてくる
- 「よい品、よい考」が育て方の基本
- 「よし品」は利益を作り、「よい考」は人を作る
- 人を育てる上で、考えること、考えさせることを重要視する
- 創意くふう提案制度で80万件のボトムアップ提案
- 3行提案([問題][改善策][効果]各1行) というフレームワークで考えさせる
- 人を責めるな。しくみを責めろ
- 不良が出るのは上司のやらせ方が悪い
- 現場の知恵が凝縮され、それに基づいた「標準」という概念がある
- 「標準」があれば、目指す場所が明らかなので、 自分で判断できるようになる
- 「標準」は「マニュアル」じゃない
- 部下が標準を守れないなら「標準」に問題がある。 その場合は見直す必要がある
- 人を育てるとは「モノの見方を伝える」こと
- これがいいこと、これが大切ということ現場できっちり教える→ 部下の成長に直結
- 重視するのは「結果」でなく、「プロセス」
- 「標準」どおりに行動しないのは理由がある。 そのプロセスをきちんと精査する
- 「できる人」をえこひいきしない
- 機会は平等に与え、評価で差をつける
- 平等に機会を与えれば、その中から「できる人」が出てくる
- 上司は常にアンテナを張り、部下のいいところ、得意なものを探す
- そしてそれが活かされる場を探してあげることも大事な仕事
- 評価基準は、成果プラス「人望」
- 人望を評価する項目がある
- 人望のある上司は自分の責任をわきまえ、 その責任を取ることを恐れない人
## 2、思考力が育つトヨタの問題解決
- 人づくりは問題解決のプロセスにある
- 問題があることは問題ではない。解決されてないことが問題
- 人をつくるとは、自ら課題・問題を発見し、 解決するプロセスを習得すること
- 問題解決の8ステップ
- 1,問題の明確化
- 2,現状把握(問題を層別し、特定する)
- 3,目標設定
- 4,要因解析(真因を特定する)
- 5,対策立案(真因に対する対策を立案する)
- 6,対策実施(実行計画に基づき、対策を実行)
- 7,効果の確認・評価(結果と取り組み過程を評価する)
- 8,標準化(成功のしくみを定着させ、横展開する)
- きづく、うずく、ねづく
- きづく;問題に気づくこと
- うずく:顕在化した問題を改善すること
- ねづく:改善結果が定着し、現場の管理がレベルアップすること
- きづく→うずく→ねづくプロセスのサイクルをぐるぐるまわす
- 問題解決における問題はあるべき姿と現場のギャップ
- 上司があるべき姿(標準)を提示して、 部下の気づきを促すことも大事な役割
- まずは「片付け」からはじめる
- 「なんでも提案」:現場でおきている小さな問題を紙に書いて、 なんでもいいから提案
- 昔はヒヤリハット提案だった
- 片付けによって現場を見える化する →改善すべき問題が浮かび上がってくる
- 5Sという考え(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)
「原因」を探すな。「真因」を探せ
- その原因に手を打てば、問題が解決され、 同じ成果を上げ続けられるというところまで「なぜ」を繰り返す
- 上司は部下に対して、 常になぜを問いかけて真因を考えさせることで成長を促せる
- 「2つ上の目線」でリーダーを育てなさい
- 理屈ではなく、 実際にどのようにするべきかを身をもって示すことができる
- 問題解決には「発生型問題解決」と「設定型問題解決」がある
- 発生型問題解決: 設定した目標に対してなんらかの原因で目標水準に達してない状態
- 設定型問題解決:現状は目標通りだが、 水準を上げた結果新たなギャップが生じる問題
- 研修は学ぶ場でなく、能力の確認の場という位置付け
- 部下を困らせなさい
- 人間の知恵には限界がない
- 知恵を出す環境を作り出すために困らせる
- アドバイスをを与えるタイミングも重要(本気で悩んだり、 なんらかの気づきを得た時)
- 悩む力を鍛える
## 3、やる気が育つトヨタの教え方
- 「答え」を教えるな。「目的」を教えろ
- 指示待ちの部下になってしまうのは、上司にも問題がある
- 自分の意見がこうだと言える人になってほしい。 文句をどんどん言ってこい
- 部下から相談されたら、すぐに答えを与えず、 目的をはっきりさせることが重要
- 決められたことを守るのではなく、 自分で決めたことを守るようにさせると人はついてくる
- 部下に考えさせるだけでなく、 上司はそれに対して自分なりの答えをもってないとダメ
- 面倒な部下から育てなさい
- クセのあるタイプから育てるとそしきはどんどん良くなっていく
- 上司にかみついてくるような人は信念を持っている
- 不平不満を聞くことが第一
- まずは認めることから始める
- 立場と権力では育たない。「理解・納得」させろ
- 本人たちが納得する客観的な証拠を提示し、 現状を否定するところから改善は始まる
- 相手が納得するまで続ける
- 「動く」のではなく「働き」なさい
- 体は動いてるが、 価値を産むような生産的な動きになっていなければ働いてると言え ない
- あなたの一番の仕事はなんですか? 何をすると付加価値が生まれますか?
- 納得させるに相手に考えさせることが必要
- やれること、やりたいこと、やってほしいこと
- 理論やデータも大事だが、それよりも「現地・現物・現実」 を見てから判断・報告することが基本
- 上司は部下のことを知らなければマネジメントできない
- 多くの人は変化を嫌う
- 大きく環境や人が変わるということは会zねんおチャンスでもあり 、それを通じて人を育てていくことにつながる
- 部下がどんな情熱を持っているか、 どんな考えで働いてるか知らなければいけない
- 聞く→見る→体験する
- 「やってみせ、やらせてみせる」
- 実践が伴わない座学に意味はない
- 「聞く→見る→体験する」までやらないと座学は無駄
- 上司はやり続けることで初めて教えられる
- 「現象」で見るな。「意志」を見ろ。
- ラインが止まりましたよりもラインを止めましたを評価する
- 部下のミスを防ぐには現象だけを見るのでなく、 そこに意志があるかどうかを見ることが大切
- 会社のメリットだけでなく、本人のメリットも伝える
- 「こうすると楽になる」 と言ってあげると納得して行動に移してくれる
- 頭ごなしにこうしなさいとは言わない
- 自分の利益につながることがあれば人は動く
- 自分がメリットを得られる状態になるにはどうしたらいいかを発想 させ、今の仕事で感じている不満を解消する
- 第二の自分を育てることもよい
## 4、チームが育つトヨタのコミュニケーション
- ほうきとちりとりを持って現場を歩け
- 整理・整頓などをする5Sは人材育成の絶好の機会
- 部下の意見には必ず応える。だから人が動く
- オフィスではちょっとした接点を使って対話をする
- コミュニケーションは朝取りなさい
- 朝の気分で1日のモチベーションが決まる
- おはようミーティングで対話を重ねる。習慣化し、継続する。
- 現場を見て回る時のポイントは「けもの道」を通ること
- 関心をもって、期待をかけて、対話する
- いきなり困ったことはないか?と聞いてはダメ
- キミに関心を持っている。 キミのために時間を確保していることが伝われば十分
- 時間をかけずに改善できるものはすぐに行動に移し、改善すること
- 関心を示すために部下の名前を毎日呼ぶ
- 対話は信頼を得るための効果的なツール
- 縦だけでは半人前。「横のつながり」ができて一人前
- インフォーマル活動から人の動かし方を学んでいく
- 他の職場や現場を見ることは改善や仕事のやり方のヒントをもらう ことにもなる
- 横のつながりが人を育てると言っても過言ではない
- 部署横断の場を作る
- 他の現場の人間と情報交換することで、 数字だけでなくプロセスも共有できるようになった
- 両方の部署で共通の課題に取り組む場を作るのも一つのやり方
- 「どうありたいか」があってはじめて褒められる
- 単に褒めても効果はない
- 部下のどうありたいかに合わせて褒めたり叱ったりしないと部下の 心には響かない
- 長所を認めるから短所を正すことができる
- "四季"のある上司になれ
- 褒めることは大事だが、 ケースによっては厳しく叱らなければならない
- 育てたい気持ちがあるなら見て見ぬフリが一番ダメ
- 叱るときは逃げ道を作ってあげることが大切
- 社員のスキルを「視える化」せよ
- 情報を与えるというニンジンをぶら下げる
- 情報をオープンにすることで信頼を得られ、 モチベーションアップにもつながる
- 部下への情報を視える化することも大切に
- みんなの顔を視えるようにすることで一人一人が自分を見てくれて いる感覚を持たせることができる
- 他人に興味をもつことや人材交流や職場活性化にもつながる
## 5、リーダーが育つトヨタの現場力
- ナンバーワンを外に出しなさい
- 一番手を外に出さないといつまでも次が育たない
- 優秀な人から動かすことは人を育てる上で大切
- 二番手以降を育てることで一番手も育つ
- 伝え方は変えても方針はブレさせない
- こうやりたいと決めたら表現を変えて伝え続ける
- こうやりたい方針は曲げない
- キーマンから攻略するのがポイント
- 意見を言ってくる人は一見扱いづらく感じるが、 いったんこちらの考えを理解、 納得してくれるとリーダシップを発揮してくれる
- 「目標プラス方針」で管理する
- 「目標管理」に加えて「方針管理」を展開
- 目標管理は結果主義、 方針管理はコンセンサスやチームワークを重視する仕組み
- 目的に向かっているのなら部下の好きにさせる
- 近道を強要せずに”道草”を許してあげる
- リーダーは中心にいてはいけない。外からメンバーを見なさい
- 人の気持ちまでわからなければ現場はわからない
- 作業者の気持ちになればどう改善すればいいかが見えてくる
- 求心力リーダーではなく、遠心力リーダーになる
0 件のコメント:
コメントを投稿