2020年12月30日水曜日

激動の2020年を振り返って

 気がつけば、年に一度振り返りを行うだけのブログになってしまった。

前回の更新が昨年のふりかえり記事 であることが何よりの証左だ。

しかし、この1年の振り返りはすごく重要だし、時間経過に伴い継続性が効果を持ち始めるため、欠かさず行うものとして位置付けたい。特に今年、Covid-19が世界中で流行し、今まであった世界の景色をガラッと変えてしまった。誰もが思いがけなかったこの変化の年に何を思い、何を感じ、何を考え行動してきたのかを振り返ることが、今後の行動指針にも大きく影響を及ぼすだろうし、この一瞬を切り取るには十分価値があることだと考えている。

年末年始は実家に帰省もせず、初めて東京で年を越そうとしている。実は先週まで、年末年始の連休をどう過ごすべきなのかを一生懸命考えていたが、特に何も良いアイデアがなかったので、計画せずに臨んでいるのだが、これが非常に満足度が高い。現代では、SNSなども普及して、24h,365日とせわしなく脳が稼働しているし、何かしらのタスクを抱えているため、非常に忙しないが、こうした余白の時間を取るということに対する価値を失念していたような気がする。


さて、そろそろ今年の振り返りを始めよう。まずは恒例の読書量の振り返りから始めていきたい。

今年は非常にムラのある読書数だった。12/30時点で37冊。月に換算すると、3冊のペースである。この要因を少し深掘りたい。昨年の振り返りでは、読書数はかなり良い結果だった。今年のほぼ2倍の72冊読んでいるのだが、その要因として毎朝のスタバでの読書時間確保という習慣化をあげていた。そう、その習慣自体は継続の兆しはあったのだ。現に2020年1月を見て欲しい。9冊読んでいる。2月は久々に引越しを行った関係で本を読んでいる場合ではなかった。これは後ほどまた振り返りたい。そして、3月以降がwithコロナというべき時代に突入するわけだ。実は本業の方でコロナ後の全国一斉休校の影響もあって、かなりあたふたした時期でもある。当時、こんなブログを書いていた。これから起こる様々なことを考えると、当時の勢いは新鮮味があるが、これも振り返りの醍醐味だと言えるだろう。
また、この時に今年出した書籍の執筆なども絶賛行っていた。その事情もあり、あまりインプットに時間を割くことができなかった理由もある。
5,6月は少し読書数が戻ってきているのだが、リモートワークにも慣れてきて、ある程度執筆も軌道に乗り、本業の方も少しづつ落ち着き始めたことにより、リズムを取り戻したように記憶している。上記のスタバの習慣が欠如した焦りを感じ、リモート出社前の時間に本を読むという習慣を戻した時期でもあった。また、今年の4月から部長に就任したこともあり、マネジメント系の部分のインプットをしたかった時期でもあった。本の選定内容からも少し伺えた。
7月8月は今年の夏が暑すぎたことと、WFHに飽きてしまった時期でもある。ずっと家に籠っていたことと、外が暑かったために何もやる気が出ず、ひたすらAmazonプライムの動画を見て過ごしてた。11,12月はまた少し戻してきているが、出版が目処が立ったことでそれよりも本の購入が増えているという事実もある。

今年読んだ中で一番良かった本をあげるとすれば、ワークマンがなぜ2倍売れたのかだろうか。

感想はブクログにあげている。9月に登壇したData Engenier Studyにも本書を紹介しているし、その後出た土屋さんのワークマン式しない経営も読了していることからそう思った。

今年はインプットがうまくできなかったので、来年は少し高いKPIを掲げたい。私が過去に掲げた歯ごたえのある冊数といえば、年間60冊。月換算で5冊である。来年はこれを目標にしたい。

イベント関連

ここ数年、かなりイベント主催を積極的にやってきたが、今年は少しブレーキを踏もうとしていた年。結果、コロナによってリアルイベントが壊滅的になったため、期せずしてそうなったと言えるかもしれない。とはいえ、オンラインのイベントも少しやっていたので、まずまずだろう。

開催したのは5月のMLCT、6月、11月のpatokyoと出版イベントのDSの森の4つだ。
リアル開催と全然違ったので、当初はかなり試行錯誤していたように思う。例えば、配信をどうするかというやり方で、最終的にはZoom+YouTube Live配信という方法に収まっていくのだが、当時は何もわからず、他のイベントの開催方法や振り返りなどを参考に試していた。
またインタラクティブなやり取りをするためにsli.doをリアル以上に活用したり、ZoonやYoutubeのコメント、twitterのハッシュタグを盛り上げる工夫など、リアルの時もやっていたが、それがなおさら重要になっていったようにも思う。

結果的に見ても、例年よりおとなしめだった感じもする。まあ、こんなもんかなという感じで、来年もこのくらいのゆるいペースなイメージをしている。

2年ぶりの出版

2年ぶりに本を出した。今回は念願の一般本。前回はムック本だったので、装丁などを見たときは感動した。もともとつながりのあった大城さんからちょうど去年の12月ごろにこの出版の話を聞き、ふたつ返事でOKをした気がする。共著者はマスクド・アナライズさん、油井さん、小西さん、西原さん、大城さんで編集者は高屋さんだったので、個人的には半分は見知った関係だったこともあり、進めやすかった。夏頃までには初稿を書き上げ、そこから著者間で相互のレビューを開始し、何度か推敲を繰り返し、出版に至った。今回はかなり私のノウハウを言語化する努力もしたので、オリジナリティが出た内容になったと思う。そういう本を目指していたし、高屋さんもそういう本にしたいという要望もあった。実際に書籍を出してからの反応も上々だった。

『AI・データ分析プロジェクトのすべて』は駆け出しからベテランまで全てのデータ分析者が読むべき仕事術大全

『AI・データ分析プロジェクトのすべて』

【書評】『AI・データ分析プロジェクトのすべて』【鉄郎さん】

来年もしばらくはこの書籍の販促活動で色々とイベントなどのお誘いがあるので、しばらくはそうした活動を行っていく予定だ。今回は3刷までいきたいと思っているが、リアル書店の位置付けが変化しているから、どうなることやら。

そうそう、今回非常に面白かったのは、本の発売日が12/21だったのだが、Kindle,Epub版の発売が10日も先行して発売されたことだった。これは前回の出版時との世の中のギャップを非常に感じるものだった。今後は電子優位になるのだろうか。少なくとも個人的には最近紙で本を買うことがほぼなくなっていて、基本的に全部Kindleや電子版で買うようにしている。iPadやKindleで読むことがデファクトなので、こうしたデバイスに対応してくれる本は嬉しい限りだが、動向は気にしていたい。

部長になってマネジメントし始めた

すでに前述したが、仕事では部長という役職に就き、マネジメントをちゃんとやるようになった。昨年からリーダーという形で分担しながらマネジメントをし始めていたので、突然始めたわけではないが、色々と動き方を変えたりしたので、転換点としてはかなり記憶に残る年かもしれない。データサイエンスのスペシャルな道を歩むこととして、色々な技術や知識を掛け合わせてそれを実現するために、わりとアカデミックな領域に時間を使ってきていたのだが、自分のタスクや手を動かす時間をメンバーのマネジメントや会社の話、組織的なことや採用・入社受け入れなどに時間を使うようになり、自分のアウトプットではなく、チーム・組織のアウトプットやアウトカムを出す方向性へとシフトしていった。
その中での学びの一部は著書の中にも書いているので、11章あたりを俯瞰してもらえると良いのかもしれない。

あと、今年はすごく色々なことがあり、苦しい場面もあったし、突然フルリモートに切り替わり、そうした環境下でのマネジメントを強いられたので、ここの試行錯誤はけっこう頑張った。結果的にわりとうまく回っているような気もする。今年加入したメンバーも馴染みが早く、それぞれの個性を発揮してくれていると思うので、一定のやり方、型のようなものを掴んだ年だったのかも。しかし、マネジメントは今まで避けてきた領域だし、まだまだ知識が足らない部分も多い。加えて、チームマネジメントだけでなく、一つ上のマネージャーとして、組織にどう貢献していくかみたいな視座の切り替えもあり、我々のスペシャリティとの掛け合わせでの試行錯誤は引き続き続くという感じだ。まあ、メンバーが非常に自律的にガンガンやってるので、自分のサーバーント式なリーダーシップスタイルともマッチしていて、評判は悪くないような気もしている。

People Analyticsを去年立ち上げた背景も教育の分野にきてから色々と感じて先行事例を学びたいが故にやっているが、ここでの知見がマネジメントをする上でも活きてきている。

そう、マネジメントを今までやりたくなかったのはピープルマネジメントの不確実性の高さと、組織内の調整なども含めてコストが高いからやりたくなかったのだが、教育業界では我々の顧客のひとりである先生がまさにそうしたことを担っていて、ドメインを掘っていくほどに体験すべきという結論にいたったこともあり、引き受けた側面もある。世の中の変化もそうだが、自分の変化も興味深いものだ。かつてクランボルツの偶発的キャリア理論を紹介したことがあるが、これもそうした中の一つの現象なのだろうと受容した。

引っ越した

今年は家の契約更新だったこともあり、8年住んだ家を引き払って2月に新たな家に引っ越した。場所はそんなに離れていない、徒歩圏内なのだが、コロナのリモートワーク移行を考えると、良い時期にいい引っ越しができたなって思う。まず、広くなったことで、きちんと作業スペースを確保することができたのが大きい。8年とか同じ家に住むと色々なものを処分したり大変だったり、家を探すのも大変だったけど、結果的にうまくいってよかった。しかし、このご時世もあり、都心に住むべきかどうかなどの新しい考え方があるので、来年1年はその後を見据えて住居を今後どうするか考え、向き合う1年になるだろうし、そうしたい。

また、引っ越しを行ったことで、今年は家財にもけっこう投資した。突然だが、今年買ってよかった物ベスト3を振り返りたい

第3位

まず、第三位だが、Dyson V8 Slimを推したい

私は掃除が非常に苦手だ。あまりマメな方ではない。しかし、このDyson V8 Slimを買ってから週2くらいで掃除するようになり、非常に好ましい態度変容を生み出してくれたすごいやつなのだ。何が私を変えたのか。それはこの掃除機がパックではなく、吸い取ったゴミを可視化しれくれていて、それを毎回捨てる体験だ。これまでクイックルワイパーでそれを体験していたので、それで十分と思っていたのだが、ビッグカメラの店頭でそれを実演していて、ちょうどいいから体験してみようと思い立ったのだが、これがかなりよかった。しかも決算セールで安かった上に5年保証付きなので、4年くらい酷使して交換してもらうくらいに使い古したいという野望がある。

第2位

2位はPopin Aladdin2しかない。


これは最近買ったばかりなのだが、出版のご褒美ということとサイバーマンデーでセールになってたので思い切って買った。実は1年くらいずっと気になっていたものだった。
シーリングライトとプロジェクタが一体になっているもので、その置き場が悩まれるプロジェクタのペインを解消した優れものである。またBlueToothで連携可能なためPCやオーディオとも連携することができる。PCのモニタとしても使えるのは大きな発見だった。壁に写す映像の質も悪くなかった。内臓のスピーカーの音も悪くない。そして、AmazonプライムやDAZN、Netflixともアプリ内で連携することができるので、認証だけしてしまえばリモコンで見たいコンテンツを視聴することができる。Apple TVなどを使っていればそれっぽいものができると想像してもらえれば良い。これは今後もかなりヘビーに使おうと思っている。今はこうしたホームシアター環境が手に入ったので、視聴環境として何が良いかを検証中だ。

第1位

そして映えある1位は日立のドラム式乾燥機付き洗濯機のビッグドラムだ。

乾燥機付き洗濯機が生活そのものを変えてしまう例については枚挙にいとまがない。
しかし、本当にこの乾燥機付き洗濯機によるQoL向上を感じた1年だった。洗濯自体は苦ではないと思っていたが、畳むことが苦手だった。洗濯して、それを干して、取り入れる。そこから畳んでタンスなどにしまうという一連の工程とリードタイム、そして作業間の遮断が私の畳む行為の苦手を創出していた。しかし、乾燥機付き洗濯機により、この干すまでの工程がワンストップなソリューションとして提供されるようになった。その恩恵により、畳む工程へのモチベーション低下がなく、今では畳んでしまうが苦ではなくなってしまったのだ。
また、日々の天候を気にすることがなくなったことも大きい。特に梅雨の時期などは週末に雨が続くと大きなストレスとなった。部屋干しするとそれ自体が嫌だし、ということもあったが、今となってはそんなものとは無縁になり、恩恵を全て享受できるようになった。
ただし、初期投資が大きいということもあり、選定は慎重にしたほうがいい。電気屋に足繁く通ったり、すでに導入した人からの評判を聞いて、最終的に私は日立のビッグドラムにした。気づいたら、実家にもこれがあったことを初回に回した後の仕上がりの音で気づいた。

次点

残念ながらトップ3に入らなかったが、今年買ってよかったオーディオグッズがこちら。

まずはAirpods Proだ。もはや説明は不要かもしれないが、Appleの至高の音声デバイスだ。

少し前まで、イヤホンは有線派を標榜してきたが、昨年にワイヤレスにチャレンジし、満を持してAirpods proを導入した。これが良いのは通常のつけごごち、フォルム、手軽さに加えてBluetoothの切り替えがお手軽というところだ。昔のワイヤレスイヤホンはいちいち別デバイスの接続解除をしないと連携できなかったが、これはそんな手間がいらない。乗っ取りが可能な点がストレスレスで良い。リモート時でも活躍している。難点は電池の持ちと、初期不良なのかノイジーな部分があることで評価を落としてしまった。

もう一つはSonyのノイズキャンセルヘッドフォン。今年後継機が出てしまって、型落ちになってしまっているが、充電の持ちやノイズキャンセルの質はまったく遜色がなくて使い勝手がいい。今もこのヘッドフォンを被り音楽を聴きながら振り返りをしているがすこぶる順調だ。
難点はBlueToothの切り替えが旧世代なことだけ。それ以外は完璧なので、今年の後継機だったら3位に食い込んだかもしれない。

お金の使途があきらかに変化した

このように、引っ越しに伴い、色々と物入りだった2020年だったが、概ね満足している。
MoneyForwardのログから参照しても、今年は物入りだったことで支出がYoYで1.5倍にくらいになってしまっているのはご愛嬌だが、その内訳が非常に変化していることが興味深い。
住居費が膨らんでしまったことは仕方ないので、置いておいて、そもそも支出が減った。その要因は圧倒的にコロナによるWFHの影響で外出しなくなったから。
それに伴う、支出減少といえば、交際費や外食費だ。交際費はYoYで1/3まで減少している。
過去に外食費や内食などをきちんと分けて管理していないので、詳細は追えないのだが、食費は微減という傾向だ。今年は基本的に自炊をしまくった1年だった。当初は3食全て自炊とかしていたし、夏頃にだいぶ疲弊したけど最近はまたそれに戻りつつある。そうすると、週に1,2度スーパーへ行って、がさっと買い込むわけだが、けっこう高が知れている。むしろ酒代がかさんでいるくらいで、純粋な食料品費という意味では、もっとシンプルなわけだ。
そう考えると、今の世の中のサービス業の苦境に思いを馳せざるをえない。この乗数効果の逆転現象はかなり大きな影響だろう。ただでさえ、外食ヘビーユーザーだった私がここまで減っているわけだから、世の中全体で見たときは推して知るべしだ。休業要請にもう応じなくなる気持ちもわかる。
引っ越しきっかけでもあったが、家の時間が長いの白物家電に対するスタンスがこれまでとだいぶ変わって、重きを増した。昨日、良い炊飯器を思い切って買った。明日届くのだが、しばらくはこの恩恵に預かれるだろうが、こういう家の中でQoLをあげられる物に対して、投資を惜しまなくなったのは大きな変化と言えるだろう。これは来年以降も継続するはず。

2021年はどんな年にしたいか

withコロナの生活様式が定着する年になるだろうから、それに合わせて自分の働き方や人生の過ごし方をフィットさせていく年になりそうだし、そうしようと思っている。
仕事などをする上で場所の影響は極限まで排除することができた年だったが、既存の信頼貯金を切り崩しているという考え方もあるように、どうにかしているだけなのかもしれない。
たしかに今年は新たな出会い、セレンディピティ的なものがほとんどなかったし、それによってとても退屈だった。その中でできそうなことをやってきたのだが、色々なリスクとのトレードオフを考慮して、そうした行動を取っていく必要があると感じているので、その辺はチャレンジしたい。
また、今年本を出したのだが、実はもう一冊手がけている物がある。これを落ち着けることが来年の重要なテーマの一つにもなるだろう。

来年の基軸はインプットを増やして柔軟に動ける態勢を取る というテーマを据えたいと思う。
執筆によって出がらしになるので、インプットを増やす必要がある必然の年。世の中の変化が落ち着いてくる見極めの年なので、そこをフラットに見つめながら、自分はどういう行動を取るべきなのかを見定めたいと思っている。

あと、年齢も年齢なので、運動する習慣を見直したい。今年はDQ walkのおかげで歩くという行動を取れていたのだが、暑い夏以降はあまり機能していなくて、課題を放置したままだ。
少し自分を戒めてランニングなどを習慣化するようにしようかな。
だいぶ長くなってしまったが、今年の振り返りはこんなものにして筆を置こう。
この振り返りを楽しみにしている自分がいたのもあったので、書き終えて満足している。
それでは、2020年の年の瀬も充実した時間を過ごしましょう。それでは良いお年を!

ページビューの合計