知の逆転は新書であるが、非常に興味深い学者や研究者たちのインタビューで構成されている。
銃・病原菌・鉄のジャレド・ダイアモンドを筆頭にチョムスキーやサックス、ミンスキー、レイトン、ワトソンと希代の人物が目白押し。各人の書籍や研究への入り口へはちょうどよいだろう。
話題の振幅も非常に大きい。文化や歴史の話から資本主義、音楽、教育、機械や人工知能、インターネットに加えてバイオインフォマティクスに至るまで、幅広い話題である。読書好きにはたまらない。
ネタバレにはなるが、各章に偉人の一言が紹介されているのがすごくいい。
1、まえがき
最も尊重せねばならぬのは、生くることにあらず、よく生くることなり(ソクラテス)
いかに生きるかを学ぶには全生涯を要す(セネカ)
2、1章
思い煩うことはない。人生は無意味なのだ。(サマセット・モーム)
3、2章
博学はまだ判断ではない(ゲーテ)
4、3章
人生は経験だ。経験は多いほどいい。(ラルフ・ワルド・エマーソン)
5、4章
人生は自分探しじゃない。自分作りだ。(バーナード・ショー)
6、5章
20年後に人は、やったことよりやらなかったことを悔いるものだ。だから、網を放ち港を出、帆を揚げ風を捉えて、探検せよ、夢見よ、発見せよ(マーク・トウェイン)
7、6章
理性は情熱の奴隷であるべきだ(デイビット・ヒューム)
また、各章の終わりには彼らからの推薦図書などもあり、ハイコンテクストのプロセスの一部分をトレースすることが可能だ。
知的刺激にあふれた1冊。オススメです。
■目次
第1章 文明の崩壊(ジャレド・ダイアモンド)
第2章 帝国主義の終わり(ノーム・チョムスキー)
第3章 柔らかな脳(オリバー・サックス)
第4章 なぜ福島にロボットを送れなかったか(マービン・ミンスキー)
第5章 サイバー戦線異状あり(トム・レイトン)
第6章 人間はロジックより感情に支配される(ジェームズ・ワトソン)
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