サッカー批評はいつも内容がすばらしくて、ついつい購入しているのだが、今回の「欧州サッカー批評」の特集が絶妙だったので、ブログに書く。
特集の内容は大きく2つ。1つは「戦術はボランチで決まる。」もう1つは欧州サッカーの暗部。後者はこれから読むので特に言及はしないが、これも根の深い話である。
さて、本題。ボランチの話である。これはもう興味深しだ。
本書の特集の契機でもあるのだが、僕がこのボランチがいかに重要であるかを痛感したのも銀河系と呼ばれたレアル・マドリードのマケレレ放出による迷走だ。
あれだけのタレントを擁しながら、マケレレがいなくなったことによるぎこちなさはとても印象深い記憶だ。特集に言及はないのだが、個人的にはビセンテ・デルボスケという優秀なマネージャーの放出もこれに大きく関わっているとにらんでいる。
さて、この特集を彩る上で登場するのは下記の人物たちだ。
・アンドレア・ピルロ
・カルロ・アンチェロッティ
・ジェンナーロ・ガットゥーゾ
・ルーベン・バラハ
彼らの話はとても興味深かった。
ピルロについては今更言及の余地はないだろうが、ミラン→ユーヴェの移籍時には終わった選手と認識されていた(個人的にはそう思っていた)が、アントニオ・コンテのもと、見事に輝きを取り戻し、タイトルを獲得している。
コンテとアッレグリの戦術的志向性の違いもあるが、アッレグリは中堅で成功した戦術を元にチームを構成したため、王様の扱いができなかったと認識している。K・P・ボアテンクを重用したことからも明らかだろう。コンテはかつての王者を知っているし、戦術トレンドもうまく組み合わせて、ピルロを再び輝かせた。
また、ピルロをレジスタにコンバートしたアンチェロッティは自身がレアル・マドリーに転身した経緯を語っている。これは見物だ。興味深かった。
そんな彼がこれからのボランチ像としてベラッティをあげていた。PSGでさらに役割を求められる彼に注目したい。
ガットゥーゾはとにかく汗をかいた話を展開。もちろん、それはピルロを活かすインコントリスタとしての役割を全うしたことに他ならない。インコントリスタの減少についての考察記事についても書かれており、内容はぜひ見てほしいところだ。
バラハはバレンシアでのベニテスのマネジメントやアルベルダとのコンビについて語っている。言わずと知れたオフェンシブハーフ。理想的なコンビだった。彼はチアゴ・アルカンタラに注目しているようだ。
そして、ペップのバイエルンについての考察も入っている。昨季3冠を達成したバイエルンをさらに進化させるという難題をしょっているが、昨日のニュルンベルク戦を見ている限りよい方向に向かっているようだ。CBのダンテと左SBのアラバの躍動が目についた。
クロース、チアゴ、シュバイニー、ミュラーらの使い分けをどうするか的な議題があったが、うまく使い分けるだろうし、ゼロトップ的な使い方もあるだろう。個人的にはSBのセカンドチョイスを補強した方がよいと思う。激しい上下動を求められる戦術なので、ラームとアラバだけでは1シーズン厳しいと思う。
あとはバルサについての話だが、これはメッシとネイマールの共存における示唆なので、割愛。
結論としては、戦術はボランチでは決まらないのだが、各ポジションの中で最も寄与度の高いポジションはボランチであるといったところではないだろうか。
ガットゥーゾやマケレレのような守備専はもはや求められない。組織的にカバーする戦術がもう浸透しているからだ。
全体として、戦術的な重要性が後方のビルドアップなどにかなりよって来ているので、この戦術的な流れを打破する次のキーマンはFWの再考だと予想する。
果たして‥
今日はこの辺で。
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