今大会は前評判も高く、選手達も優勝を目標として公言するほど期待感を煽っていただけにこの結果は落胆の色が大きいという印象だろう。
ブラジルW杯総括
まずは、今大会の総括をしておきたい。組み合わせなどは前に書いたエントリにあるので、そちらを参照いただきたい。
http://kininaru-tetsu.blogspot.jp/2014/05/w.html
vsコードジボワール戦
ハフィントンポストがすばらしい試みでリアルタイムデータを公開してくれていた。結局、終始試合を支配されていたのだが、うまく本田がゴールして先制できていた。
思えば前半45分までは、日本のゲームプラン通りだったのは今となっては懐かしい。
後半、ドログバが入って来た事で、それまでなんとかボニーにやらせていなかった日本のCBが崩壊。2分で2失点するということで、精神的に完全におられてしまった。
この流れが2006年ドイツW杯のオーストラリア戦。ケイヒルを投入して来たヒディングのそれをオーバーラップする内容だったが、怖かったので口にしなかった。
vsギリシャ戦
背水の陣で臨んだギリシャ戦。展開としては日本が積極的にポゼッションしていた。カツラニスが前半早々に退場したことで、流れが一気に来たのかと錯覚したが、
1人退場したギリシャは早々にゲームプランを変更。少しスペースのあった中盤ボランチ付近を2枚で固めてがっちりと亀のような姿勢で第3戦に臨む姿勢になった。
上記のデータを見てもらえるとわかるが、ポゼッションすればシュート数はそれに相関して多くなる。いくつか決定機があったのだが、それを決められなかったことが大きかった。しかし、それもサッカー。
vsコロンビア戦
先ほど終わった試合。コロンビアは前節からスタメン8人を変更するという控えメンバー。ペケルマンはさすがの名将なので、この大会の唯一の休息ポイントをフルに活用してきた。しかし、今野がPKを与えてしまい、クアドラードがそれをきっちり決め、先制される。
だが、前半ロスタイムに本田のクロスを岡崎がナイスな飛び込みで決める。DFに完全にコースを塞がれながらのあのヘディングゴールはかなりテクニカルだった。やはり岡崎すごい。彼はユーティリティがあり、日本のサイドを深く作ってくれたり、PAにダイアゴナルに侵入してくれるので、サイド起用が多かったが、今季のマインツでの活躍を見るにトップを張ってもらいたかったものである。
後半はJ.ロドリゲスが出て来た事でクオリティの違いを見せつけられる結果となる。
ハメスがサイドに出た事で意識がサイドに行き、DFが外に釣られる。中にいるのが売り出し中のポルト所属のJ.マルティネスなもんで、きっちりと決められ、終わってみれば1-4の敗戦である。ここにファルカオがいたらどうなっていたか‥本当に残念だ。
まあ、結論を言ってしまえば、初戦に尽きるという月並みな話になるのだが、
2試合目のギリシャ戦で1点取っていれば、また違う戦い方もできただろうと思うし、
まあ、これもまた短期決戦の妙だと言わざるを得ない。
これまでのザックジャパンの4年間は失敗だったのか?
次にザックジャパンの4年間について振り返ろう。
試合直後に感情に任せて、色々な意見が出ていた。
まあ、この3戦の内容と結果を見れば、そう言いたくなるのもわかる。
今日の試合で4年間が終わった。結局この試合だけを分析するのではなく、総合的に見直さないとまた4年間を繰り返すだけ。この結果は決して監督や選手の責任ではないんだ。 #ONESTADIUM
http://t.co/J618k6rGwQ
— セルジオ越後 (@sergio_echigo) 2014, 6月 24
しかし、セルジオさんのこのツイートを見ることで、やはり4年間という軸で考えなければならないのだと思い直して、自分の中で少し内省してまとめてみたいと思う。
2010年8月30日にザックジャパンは誕生した。
過去の試合遍歴を追っかけてみよう。
2010年
http://www.jfa.or.jp/national_team/official_scoresheet/2010/index.html
懐かしい。初陣はパラグアイとの再戦だったですね。そこで勝って、アルゼンチンにも勝利して相当沸いた記憶があります。
2011年
http://www.jfa.or.jp/national_team/official_scoresheet/2011/index.html
流れをそのままにアジアカップも制覇したんでしたねー。2010年8月30日にザックジャパンは誕生した。
過去の試合遍歴を追っかけてみよう。
2010年
http://www.jfa.or.jp/national_team/official_scoresheet/2010/index.html
懐かしい。初陣はパラグアイとの再戦だったですね。そこで勝って、アルゼンチンにも勝利して相当沸いた記憶があります。
2011年
http://www.jfa.or.jp/national_team/official_scoresheet/2011/index.html
その後に、W杯予選が始まって行く。2011年は1敗しかしてないのすごいなw
2012年
http://www.jfa.or.jp/national_team/official_scoresheet/2012/index.html
で、この年にブラジルに完敗したけど、フランスにアウェイで勝ったんでしたね。前は0-5で惨敗したから大進歩だってなった。
2013年
http://www.jfa.or.jp/national_team/official_scoresheet/2013/index.html
2013年はW杯の出場権を取って、意気揚々とコンフェデに臨んで3戦全敗。
しかし、イタリア相手にバカ試合をやったおかげで世界には好印象を残しましたね。
後半ではセルビアやベラルーシにころっと負けて、解任論まで出そうになった後の欧州遠征でオランダといい試合、ベルギーに競り勝っちゃったことで、自信を深めたのは記憶に新しい。
2014年
http://www.jfa.jp/samuraiblue/schedule_result/
そして今年。完全にW杯に備えた調整試合が多くなっています。
こうやって見ると、この4年間ってけっこう強豪国とやってるし、過去の教訓を活かしてJFAはマッチメイクしているんですね。
なので、キリンチャレンジカップの話とか持ち出してくる輩とかいますが、彼らの指摘は論外。
ザックは長期で見れば、着実に日本の成長に貢献してくれていると思います。
ただ、短期決戦はあまり得意じゃないようだ。
元々3-4-3がやりたくて、ずっと試してきたわけだけど、まったくもってうまくいかないと判断して封印しましたが、それ以降は今の4-2-3-1でのフォーメーションをずっと使ってきたように思います。
私見ですが、僕が思う今大会の失敗の要因の1つとして、チームが早く成熟してしまったことがあると思う。
コンフェデで世界に通用するかどうかかなりチャレンジできて、チームとしては実はそこがピークだったように思います。自分たちのサッカーはまがりなりにも通用した手応えがあったから。
でも、結果としてみれば、3戦全敗なんですよね。ここがスポイルされてしまっていた。
自分たちのサッカーは通用することがわかったのに、ではどうすれば勝てるのかというリアリスト的な観点を伸ばせなかった。
ここが戦術インテリジェンスの欠如を感じた大きな要因だと思うんですね。
いつも比較に出されるのだが、メキシコなんかは身体は小さくても体躯はしっかりしていて、身体が強い。だから、あのサッカーが成立してるし、ボールを持つ時は持つし、激しくプレスする時はそうする。しっかりとメリハリがついているんですよね。
日本の場合は残念ながら、両方できないし、使い分けができない。
吉田や今野は守りたいからライン下げるけど、本田などは攻めたいからライン上げを要求している。こういうやり取りあったように記憶してますが、違うよね。
前線も前からプレス行く時は行く。攻める時はDF陣のラインを上げてコンパクトに攻めて行く。そういう柔軟性が必要だったのだが、そこが煮詰まらなかった。
まだまだ世界との差は大きいんだなと思った次第。
でも、大久保の選出はサプライズだって、言われて来たけど、彼は結局3戦全てに出場してレギュラー奪ったわけだよね。
もっともっとセレクターにはJリーグの選手も見てほしいと思う。
普段、欧州でプレーしている選手はあんまり強豪とのテストマッチには呼ばないで国内組に経験させるとかそういう強化の方向性もありだと思うね。
まだザックの去就は未定だけど、おそらく勇退だろう。
後任の名前として早くもハビエル・アギーレが出てる。彼はメキシコ人だし、何が日本にたらないかを原さんが検討した上で接触しているのだろう。
これはおもしろそうだと思う。
ペケルマンよりもアギーレがいいw
あとザックはリーグでのマネジメントはできるし、強化もできることはこの日本代表の結果から見ても明らかなので、オファーは色々来るだろう。
とりあえず、ありがとうザックジャパン。いい夢見させてもらいました!
追記
サッカーキングにおそらく岩本さんが書いたと思われるよい記事が載っていたので、リンクしておく。
http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20140626/205699.html