2014年6月25日水曜日

ザックジャパン終戦。その歩みと4年間の振り返り

今朝、コロンビアに4-1で敗れたことで、日本のブラジルW杯は終戦を迎えた。
今大会は前評判も高く、選手達も優勝を目標として公言するほど期待感を煽っていただけにこの結果は落胆の色が大きいという印象だろう。

ブラジルW杯総括

まずは、今大会の総括をしておきたい。
組み合わせなどは前に書いたエントリにあるので、そちらを参照いただきたい。
http://kininaru-tetsu.blogspot.jp/2014/05/w.html

vsコードジボワール戦

ハフィントンポストがすばらしい試みでリアルタイムデータを公開してくれていた。
結局、終始試合を支配されていたのだが、うまく本田がゴールして先制できていた。
思えば前半45分までは、日本のゲームプラン通りだったのは今となっては懐かしい。
後半、ドログバが入って来た事で、それまでなんとかボニーにやらせていなかった日本のCBが崩壊。2分で2失点するということで、精神的に完全におられてしまった。
この流れが2006年ドイツW杯のオーストラリア戦。ケイヒルを投入して来たヒディングのそれをオーバーラップする内容だったが、怖かったので口にしなかった。


vsギリシャ戦

背水の陣で臨んだギリシャ戦。展開としては日本が積極的にポゼッションしていた。
カツラニスが前半早々に退場したことで、流れが一気に来たのかと錯覚したが、
1人退場したギリシャは早々にゲームプランを変更。少しスペースのあった中盤ボランチ付近を2枚で固めてがっちりと亀のような姿勢で第3戦に臨む姿勢になった。
上記のデータを見てもらえるとわかるが、ポゼッションすればシュート数はそれに相関して多くなる。いくつか決定機があったのだが、それを決められなかったことが大きかった。しかし、それもサッカー。

vsコロンビア戦

先ほど終わった試合。コロンビアは前節からスタメン8人を変更するという控えメンバー。ペケルマンはさすがの名将なので、この大会の唯一の休息ポイントをフルに活用してきた。
しかし、今野がPKを与えてしまい、クアドラードがそれをきっちり決め、先制される。
だが、前半ロスタイムに本田のクロスを岡崎がナイスな飛び込みで決める。DFに完全にコースを塞がれながらのあのヘディングゴールはかなりテクニカルだった。やはり岡崎すごい。彼はユーティリティがあり、日本のサイドを深く作ってくれたり、PAにダイアゴナルに侵入してくれるので、サイド起用が多かったが、今季のマインツでの活躍を見るにトップを張ってもらいたかったものである。
後半はJ.ロドリゲスが出て来た事でクオリティの違いを見せつけられる結果となる。
ハメスがサイドに出た事で意識がサイドに行き、DFが外に釣られる。中にいるのが売り出し中のポルト所属のJ.マルティネスなもんで、きっちりと決められ、終わってみれば1-4の敗戦である。ここにファルカオがいたらどうなっていたか‥本当に残念だ。


まあ、結論を言ってしまえば、初戦に尽きるという月並みな話になるのだが、
2試合目のギリシャ戦で1点取っていれば、また違う戦い方もできただろうと思うし、
まあ、これもまた短期決戦の妙だと言わざるを得ない。


これまでのザックジャパンの4年間は失敗だったのか?

次にザックジャパンの4年間について振り返ろう。
試合直後に感情に任せて、色々な意見が出ていた。
まあ、この3戦の内容と結果を見れば、そう言いたくなるのもわかる。



しかし、セルジオさんのこのツイートを見ることで、やはり4年間という軸で考えなければならないのだと思い直して、自分の中で少し内省してまとめてみたいと思う。

2010年8月30日にザックジャパンは誕生した。

過去の試合遍歴を追っかけてみよう。
2010年
http://www.jfa.or.jp/national_team/official_scoresheet/2010/index.html
懐かしい。初陣はパラグアイとの再戦だったですね。そこで勝って、アルゼンチンにも勝利して相当沸いた記憶があります。

2011年
http://www.jfa.or.jp/national_team/official_scoresheet/2011/index.html
流れをそのままにアジアカップも制覇したんでしたねー。
その後に、W杯予選が始まって行く。2011年は1敗しかしてないのすごいなw

2012年
http://www.jfa.or.jp/national_team/official_scoresheet/2012/index.html
で、この年にブラジルに完敗したけど、フランスにアウェイで勝ったんでしたね。前は0-5で惨敗したから大進歩だってなった。

2013年
http://www.jfa.or.jp/national_team/official_scoresheet/2013/index.html
2013年はW杯の出場権を取って、意気揚々とコンフェデに臨んで3戦全敗。
しかし、イタリア相手にバカ試合をやったおかげで世界には好印象を残しましたね。
後半ではセルビアやベラルーシにころっと負けて、解任論まで出そうになった後の欧州遠征でオランダといい試合、ベルギーに競り勝っちゃったことで、自信を深めたのは記憶に新しい。

2014年
http://www.jfa.jp/samuraiblue/schedule_result/
そして今年。完全にW杯に備えた調整試合が多くなっています。

こうやって見ると、この4年間ってけっこう強豪国とやってるし、過去の教訓を活かしてJFAはマッチメイクしているんですね。
なので、キリンチャレンジカップの話とか持ち出してくる輩とかいますが、彼らの指摘は論外。

ザックは長期で見れば、着実に日本の成長に貢献してくれていると思います。
ただ、短期決戦はあまり得意じゃないようだ。

元々3-4-3がやりたくて、ずっと試してきたわけだけど、まったくもってうまくいかないと判断して封印しましたが、それ以降は今の4-2-3-1でのフォーメーションをずっと使ってきたように思います。

私見ですが、僕が思う今大会の失敗の要因の1つとして、チームが早く成熟してしまったことがあると思う。
コンフェデで世界に通用するかどうかかなりチャレンジできて、チームとしては実はそこがピークだったように思います。自分たちのサッカーはまがりなりにも通用した手応えがあったから。
でも、結果としてみれば、3戦全敗なんですよね。ここがスポイルされてしまっていた。
自分たちのサッカーは通用することがわかったのに、ではどうすれば勝てるのかというリアリスト的な観点を伸ばせなかった。
ここが戦術インテリジェンスの欠如を感じた大きな要因だと思うんですね。

いつも比較に出されるのだが、メキシコなんかは身体は小さくても体躯はしっかりしていて、身体が強い。だから、あのサッカーが成立してるし、ボールを持つ時は持つし、激しくプレスする時はそうする。しっかりとメリハリがついているんですよね。
日本の場合は残念ながら、両方できないし、使い分けができない。
吉田や今野は守りたいからライン下げるけど、本田などは攻めたいからライン上げを要求している。こういうやり取りあったように記憶してますが、違うよね。
前線も前からプレス行く時は行く。攻める時はDF陣のラインを上げてコンパクトに攻めて行く。そういう柔軟性が必要だったのだが、そこが煮詰まらなかった。
まだまだ世界との差は大きいんだなと思った次第。

でも、大久保の選出はサプライズだって、言われて来たけど、彼は結局3戦全てに出場してレギュラー奪ったわけだよね。
もっともっとセレクターにはJリーグの選手も見てほしいと思う。
普段、欧州でプレーしている選手はあんまり強豪とのテストマッチには呼ばないで国内組に経験させるとかそういう強化の方向性もありだと思うね。

まだザックの去就は未定だけど、おそらく勇退だろう。
後任の名前として早くもハビエル・アギーレが出てる。彼はメキシコ人だし、何が日本にたらないかを原さんが検討した上で接触しているのだろう。
これはおもしろそうだと思う。
ペケルマンよりもアギーレがいいw

あとザックはリーグでのマネジメントはできるし、強化もできることはこの日本代表の結果から見ても明らかなので、オファーは色々来るだろう。

とりあえず、ありがとうザックジャパン。いい夢見させてもらいました!

追記
サッカーキングにおそらく岩本さんが書いたと思われるよい記事が載っていたので、リンクしておく。
http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20140626/205699.html

2014年6月19日木曜日

IoTやらM2Mやら

今日は普段連載をさせていただいている媒体さんが、イベントを行うということで、
せっかくのお誘いだったので予定の合間をぬって参加してきた。

下記がイベントの概要
CNET Japan Live 2014 summer あらゆるモノがつながる世界~IoTが起こす新ビジネスイノベーション~

IoTやらM2Mは昔からその名を変えて主張されて来たのだが、ハードウェアやソフトウェアの進化によって、いよいよ現実味を帯びて来たので、注目している。

最初の基調講演のみの参加だったが、とても面白かったし、学びがあった。
以下、参加メモ

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特別対談 IoTとは?--すべてのモノがつながる時代の革新

IoTとは何か
IoTでは全てのものがオンラインに。→ハードウェアの価値の再定義
例、センサー内蔵のバスケットボール 94Fifty Sensor Basketball
    Airbus Smart Luggage [Bag2Go] スーツケースのセンサー
    GE industrial Internet 構想
M2M(モノとモノ)、P2M(人からモノ)、M2P(モノから人)
※どんな情報を収集するのか?が非常に重要。→時間軸と収集するデータが肝。

M2M事例:サンフランシスコ市営交通局のスマートパーキング(空き状況に応じて駐車料金を変動させている)

P2M事例:Starbucks [Clover];ネットワーク接続された珈琲メーカー
(高い珈琲豆のパラメータ設定を機械化して、教育コストを下げる)

M2P事例;モノと人がコミュニケーションを図る Botanicalls
→プラントに接地されたセンサーが土の湿り気をチェック。水が必要になったらアラート
 Wi-Fi接続でtwitterにツイートなども

M2P事例:ゴミの容量をセンシング 「SmartBin」
→ごみ容量のセンサー検出で必要時に回収する

なぜ今IoT?
→センサー技術の小型化、低消費電力か、低価格化

Bluetooth LE、6LoWPANという通信技術
ウェアラブルセンサー(絆創膏センサー、コンタクト型デバイス)
オムツのセンサー

様々な端末の登場
スマートウォッチ、腕輪/リング型、グローブ型、グラス型

■各レイヤー
アプリケーション(業界)
プラットフォーム
コアネットワーク:3G、LTE
 ※フォグ・コンピューティング
ローカルネットワーク、BLEなど
デバイス

IoTがもたらすビジネス機会
→Hardware + Service
例、コムトラックス、ネスレのAguila

ハードウェアが主体なのか、サービスが主体なのか
ハードウェアの方:ネットスマート歯ブラシ
サービスの方:Nest温度調節計
→ビジネス主体によって、マネタイズ手法は変わる

Nest「Rush Hour Rewards」(デマンドレスポンス)
電力会社がビジネス主体の場合は電力網をタダで配るとかもある。

自動車起点のエコシステム Connected Car
消費者にとってはモノが自分のエージェントとして動作すること
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たくさんのキーワードを収集できたので、少しずつキャッチアップしていきたい。

2014年6月7日土曜日

ブラジルW杯の予習第2弾

いよいよ開催が迫って来たので、予習第二弾書こう。

さっきの日本-ザンビア戦がとても面白かったので、期待できそう。
昨年のコンフェデでイタリアと殴り合った試合を世界は印象に思っているし、今日のザンビア戦でも改めてエンターテイメントのできる国だと知らしめることができたんじゃないか。グループリーグでも華々しくやってほしい。咲くにしても散るにしてもw

さて、今日はちょっと金にまつわる話。と、趣味でもあるユニフォームの話。

まずは金。最近のスポーツビジネスがバブりまくっているのは既知の事だと思う。
ブラジルW杯の賞金総額とその分配方式が発表されていた。

 FIFA(国際サッカー連盟)は5日、2014年に行われるブラジル・ワールドカップの賞金総額が5億7600万ドル(約586億4000万円)になると発表した。2010年の南アフリカ・ワールドカップに比べ、37パーセントの増額となった。
 また、順位による賞金も発表され、優勝国には3500万ドル(約35億6000万円)、準優勝国には2500万ドル(約25億5000万円)が支払われる。3位には2200万ドル(約22億4000万円)、4位には2000万ドル(約20億4000万円)がそれぞれ支払われ、グループステージで敗退した場合でも800万ドル(約8億1000万円)が与えられる。なお、賞金とは別に、同大会に出場する32カ国には準備金として150万ドル(約1億5000万円)が支給される。

引用:ブラジルW杯の優勝賞金は約35億円…総額は前回大会より37%増

W杯は多くのスポーツイベントと同様で1業種1社というオフィシャルスポンサーということが決められている。1社あたりのスポンサードフィーも上がっているだろうが、それだけで分配額が増加しているとは考えづらい。
やはりTV放映権が拡大しているのではないか。と思うのが筋だろう。
この強化費が各国に入る事はあれど、アフリカなどの国では選手にサラリーがいかない問題などもあるし、難しい問題だ。この金が健全に今後の強化費やそうした投資に向ける事ができている国が今後も強くなる。
ファイナンシャルフェアプレーが制定された欧州でも顕著だが、この分配方式を重ねていくとますます上位と下位の格差が激しくなっていくのではないのかなーとも思ってしまう。ま、お金じゃないからサッカーは面白いってのもあるんだが。
金の件はこんなところ。


次はユニフォーム。

32カ国のユニフォームがまとまった画像を探していたら、ちゃんとあった。


まあ、これでデザインセンスの話に持って行くと、ありきたりになるので、それは他のまとめサイトや2chなどに譲っておいて、僕が着目するのはやはりサプライヤーのシェアである。
(また金に関係する話になるw)

資本主義が浸透して、がっかりすることにはもう慣れたので、冷静にカウントすると、

NIKE:10チーム
Adidas:9チーム
Puma:7チーム
その他:6チーム

こういう構図になるわけだ。
3強が強いが、特に上2つは金にモノを言わせてシェアを争っている。
僕はアンブロ好きだったので、NIKEのやり口には閉口なのだが、なんというかもう少しバリエーションが欲しいなと思ってしまう。
今回はPumaの透かしが若干復活して、Adidasもださいシャツを作る割に日本の透かしなんかはイケてるので、頑張った感があるわけだ。
しかし、やはりアンブロが良かった。去りし日の思い出に浸りながら。

あー楽しみだなー!開幕がー!

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