南米のブラジルというお国柄がそうさせたのかどうかはわからないが、多くの試合で良いファイトが見られ、感動できる試合が多かった。
というわけで、戦前の予想通り、ドイツがアルゼンチンを下して優勝を飾った。
南米大陸の開催で欧州チームが初の戴冠ということで、歴史は新たに刻まれた。
決勝の内容を少しレビューしておく。
大方の予想通りのスタメンだった。ドイツはケディラが直前の練習でケガしたのか、急遽クラマーがスタメンだったくらいで、アルゼンチンは変わらずのスタメン。やはり功労者ディマリアは間に合わなかった。
ドイツの組織的なプレスをアルゼンチンの個の能力が引き剥がすという見応えのある内容だったが、オフサイドの判定などでなかなかゴールが決まらず、じりじりとした展開となる。
前半かなり効いていたラベッシが早々に下げられてしまったことは残念だと思った。
また、ドイツもクラマーが早々に負傷交代でシュールレが入る。
試合は90分では勝負がつかず、延長戦にもつれ込むことになるが、交代で入ったシュールレの突破から最後はこちらも途中投入のゲッツェがよいトラップからゴール右隅に流し込み、貴重な決勝点をもぎ取った。
本当にドイツは強かった。その構成はほぼバイエルンミュンヘンである。
そして、そのチームを率いているのはペップ・グアルディオラだ。
つまり、4年前の南アフリカW杯と同様の構図なのだ。
あの時も、ペップ率いるバルセロナの選手を多く擁したスペインが戴冠している。
代表チームの強化と自国リーグの強化を連動させる手法は今後の主流になるかもしれない。もちろん、イングランドなどではずっと議論されながらも未だにうまくいってないので、難しい事なのは百も承知なのだが。
結果的に直接対戦していないが、このバイエルンの礎を築いたのはファン・ハールなので、オランダを3位に導いたけれども一抹の悔しさを抱えているのではないだろうか。
ロッベンがキャリアで最も成熟し、輝いていたので、興味深かった。
そして、ブラジルが多くのプレッシャーを抱えながら、激闘を進んで来たが、エースとキャプテンを欠いた状態でこのドイツを迎えた事により粉砕されてしまった。
僕はネイマールのための大会になるように仕組まれていたように感じていたので、ブラジル優勝を信じて疑わなかったが、結果的に悲劇が起こり、ネイマールはある種伝説になったような気もするので、それはそれでありだ。
個人的に最も残念だったのはフランスだ。
彼らは準々決勝でドイツと対戦したが、正直、フランスがドイツを食うと思っていたのだ。だが、残念な事に相手をリスペクトしすぎて自分たちの良さを出せずに敗退。
また、ドイツはその際にムスタフィがケガをしたことで、スクランブルにラームを右SBに回せた事で、ベストな解を見出せたことがこの優勝に繋がっている。
ペップの流れを汲んでいるので、なかなかラームを中盤の底から外せなかったレーブもここで腹を括った。グロスクロイツもいたが、最後まで出場はなかった。
日本については特に言及するまでもない。
この大会はゴール数も多く、またキーパーの好セーブも連発で非常にスリリングで面白い大会だった。
戦術レベルではクラブに劣るけど、ファイトという意味ではここまで熱くなるのもクラブではないので、非常に良かったんじゃないかなと思う。
明日からしばらく虚無感に襲われそうだが、充実の後には空白もあるってことで、次の欧州開幕まではJリーグを楽しもうじゃないか!
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