2014年5月6日火曜日
世界の経営学者はいま何を考えているのかを読了
少し前の話題の書をようやく読了。
経営学については、私も経済学部出身なので造詣があるものの、あまり学問的な面白みを感じる事はなかった分野である。
やはり経営は現場が一番。
しかし、そのイメージは少なからず本書を読む事で改善したように思う。
経営学のフロンティアでは様々な経営課題を一般化する理論を解明するために、様々な企業にアンケートをとって統計的な有意性を出す学問のようだ。これは自分のステレオタイプが覆った。本書の中でも指摘があるが、どうしても理論が多い気がしていたからだ。
また、経営学の分野は3つのディシプリンがあり、それぞれの宗教上の理由もあるようだ。
1、経済学ディシプリン
2、認知心理学ディシプリン
3、社会学ディシプリン
個人的にはやはり1に近い立ち位置だが、いずれも分野がわかるので、ここはなるほどと思った。
僕が本書の中で最も記憶に残ったのは、トランザクティブメモリーに関する記述の箇所である。
組織論やマネジメントの分野の内容であるが、組織のラーニングカーブと効率性における重要事項としてこのトランザクティブメモリーがあるという指摘だ。
トランザクティブメモリーは一言で言うと、「組織内の誰が何を知っているのかを把握する事」である。
詳細はググったら色々と出てくるし、本書を読んでほしいが、これは自分の経験から言っても納得する。
個人的には組織内だけでなく、ネットによりエンパワーされている感がある。
ソーシャル系の界隈で、このトランザクティブメモリーが自分の補助となっていることが実感できるからだ。
また経営戦略などの分野における財務的な観点も非常に参考になった。
元々、コーポレートファイナンスや投資銀行業務に興味があったわけなので、改めてこの分野を深堀したくなった。
最後に統計の記述がある。
ガウシアン統計は平均だからダメという変な記載があるが、ここはいただけない。
ここがなければ、かなり完璧な内容だっただけに残念だ。
まあ、ページ数的にもここぐらいは許容してもなお、新たな知見のある書籍だと感じた。
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