2015年8月12日水曜日
サッカーは「システム」では勝てないを読了した
最近、気骨あるサッカーメディアの中でデータ分析を活用したアナリストという事で寄稿されている庄司さん。
氣にはなっていたが、まさか新著を出されているとは!
ということで、早速購入した。
ちなみに著者はドイツでずっとデータを分析していたようだ。
題材は主には2014年のブラジルW杯のデータを例に各国の戦術などを分析し、総括するものだ。
内容に関しては本書に譲るが、なんとなく観戦していて感じた事をデータを元に
ズバッと解説してくれていたことにとても舌を巻いた。
ちなみに私もブラジルW杯は2/3ほどの試合を眠い眼をこすりながら観戦し、所感をしたためていた。
ザックジャパン終戦。その歩みと4年間の振り返り
2014ブラジルW杯を総括する
ここで指摘しているコンセプト的な箇所や国の特色などは的を得ていてうれしい。
ハフィントンポストの英断のおかげもあるが、ただ一般的に入手できるデータには限界がある。データの活用度合いでやはり本職の人の使い方は違うなと感じた。
特にスプリントのデータにおける話と自ボール、相手ボール走行距離というデータ自体が取れている事に驚いた。
やはりスポーツ業界にデータ分析が取り入れられて久しいが、ここまでの成果が出ているとは非常に驚いたものである。
データの取得に関しても相当な基準が敷かれている。ピッチ上の出来事をどのようにデータに落とし込むかの設計が他国と圧倒的に異なる気がする。
ドイツ代表はユルゲン・クリンスマン時代からレーヴ時代の10年間を費やしてこの戴冠を果たしている。投資金額はそれなりのものだが、成果もかなりのものだった。
なんとなくだが、2013年に書いた下記の記事
キーワードはインテンシティとゲーゲンプレッシング
この内容がそのまま来ていて、これに加えて幾何的な視点が入ればほぼ説明できる。
この視点に関しては今年のCL決勝時の感想で触れていた。
CLセミファイナル バルセロナVSバイエルン戦を見て感じた事
マネーボールが流行した当時、当時無名だった統計家の西内さんがこんな本を書いていた。
遠藤保仁がいればチームの勝ち点は117%になる データが見せるサッカーの新しい魅力 (ソフトバンク新書)
これは少し統計処理が多い。しかも用いるデータがあまり実践的ではなく、実務よりというか観戦よりに使われるべき内容だった。
それとの対比としての本書はまた面白い内容だったように感じる。
Jのチェアマンの村井さんもデータ公開については積極的に行っていくという方針のようなので、適切に進めていただきたいものだ。
(個人的にはまずクラブ経営問題が先だと思うが、データ取得への投資に期待したい)
感じたこととして、ある程度準備が整えば、マジで強化アナリストとしての道で行けるような気がしてきたので、テンションが上がっている。
■目次
第1章 「支配率」は「データ」ではない
第2章 2014年ブラジルワールドカップとデータ
第3章 データで日本代表を読む
第4章 サッカー新時代の到来
第5章 世界サッカーのトレンドとアギーレ・ジャパン
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