2015年7月25日土曜日
あぁ、監督を読了
とある事情から野村さんの考えを知りたくて、本書を読んだ。当初の思惑とは異なって、入れたい項目は見当外れだったものの、野村さんの考え方を知る事ができたのはシメたものだった。
彼のプロでの成績の根幹や他の監督の評、そしてID野球と呼ばれた際にスコアラーを鍛えた話は非常にシンパシーを感じた。
今のデータ分析に足りないのはこれなのだな。
また、人を遺してこそ監督であるという話にはとても共感したし、その行き着く先が安岡正篤先生だったことで、心理的な距離が縮まった。(というか、まあ師事していた人が参照していた先が同じという事で距離が縮まったと思っただけ)
プロ野球は広告モデルの依存のままに、多少は脱却しているものの構造改革はできていない。後継者不在の項目におけるぼやきはまさにシステム不均衡だろう。
このような名物監督が減ったのは残念だが、それもまた時代なのだろう。
■目次
まえがき
監督には四つの敵がいる
マスコミと監督
第一章 監督の条件
「監督業」に殺された蔭山さん
なぜ名参謀は名監督になれないのか
監督の器ー人望・度量
貫禄と威厳
表現力
決断力
名捕手が名監督になるわけ
古田が失敗したわけ
落合は名監督の器か
監督の敵
第二章 私が見た「名監督」たち
選手が動かす六つのファクター
恐怖と情感にあふれていた星野仙一
怖さと情熱と科学の人、西本幸雄
二流選手から名将になった上田利治
ブレイザーに好影響を受けた、古葉竹識
絶対的な指揮官、広岡達郎
揃った戦力を使うのに卓越していた森祇晶
人格者、王貞治
親分・鶴岡一人
革新性ももっていた鶴岡監督
知将・三原脩
ダンディな勝負師、水原
六つのファクターをすべて持っていた川上哲治
九連覇を支えた人間教育
第三章 間違いだらけの監督選び
迷走したWBCの監督選び
人材不足が監督選考を難航させた
間違いだらけの監督選び
タレント性
西武・渡辺監督と巨人・原監督の違い
順番性
短くなった監督の賞味期限
監督養成システムの崩壊
人材不足を象徴している外国人監督の増加
なぜ知将が少なくなったのか
限界を知ることの大切さ
監督講習会を実施せよ
WBCは勝てるか?
第四章 野村流監督心得
青天の霹靂
ブレイザー・ヘッドコーチ
「日本人は何も考えていない」
チーム掌握の第一歩は意識改革
監督は選手と距離を置くべき
「死んだふり」で三位から日本シリーズへ
コーチより評論家を経験すべき
無意識に監督の仕事をしていた評論家時代
監督は言葉を持て
編成との意思疎通
適材適所は才能に勝る
スコアラーには「表現力」を問う
一に準備、二に準備
ほんとうの無形の力とは
接線を制する四つの要素
知力がぶつかりあった森西武との日本シリーズ
「野村の考え」が浸透して勝ち取った日本一
第五章 人を潰してこそ、真の名監督である
財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を潰すと上とする
監督の仕事は「人づくり」
己を過信すれば成長は止まる
無視・賞賛・非難
人はプロセスでつくられる
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