2015年7月26日日曜日
世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本を読了した
rebuild.fmで宮川さんと伊藤さんが話題にしていたり、社内でも評判の良かった本書。
PMとはよく言われるプロジェクトマネージャーではなく、プロダクトマネージャーである。
実はこの概念、まだまだ日本では浸透していない。
本書のような書が必要とされるのはまた自然なことなのかもしれない。
そういえば、最近話題になってたブログもこの関係のものでしたね。
エンジニアからみた良いプロダクトマネージャとは?
内容紹介を引用する。
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最高のクオリティを持つ製品を世に送り出す仕掛人=「プロダクトマネジャー」
Google、Apple、Amazon、Facebook... 人気IT企業が考える採用試験に迫る!
QUESTION
「Gmailは広告で毎年どれぐらいのお金を得ているでしょうか?」
「米国では毎年、メガネがいくつ売れるでしょうか?」
「Amazon衣類カテゴリーでジーンズ売上が過去3か月で徐々に減少していたとします。何が起きたのか、あなたならどのようにしてつきとめますか?」
本書は「Cracking the PM Interview: How to Land a Product Manager Job in Technology」(原題『プロダクトマネジャーの採用面接を突破する――テクノロジー業界でプロダクトマネジャー職に就くには』)の日本語版です。IT系トップ企業のプロダクトマネジメント(PM)職に就く方法を詳しく解説しています。
著者の一人であるマクダウェル氏の前著『世界で闘うプログラミング力を鍛える150問』(マイナビ)は「コーディング面接」をテーマを掲げつつ、コンピュータサイエンスの基礎知識や活用法まで学べる一冊でしたが、本書は「PMの採用面接をどう突破するか」というテーマを掲げつつ、PMとして活躍するためのスキルやアプローチを網羅した一冊となっています。
PMという仕事の概要から、PMとして体得しておくべき知識や考え方、面接でよく聞かれる質問、効果的なレジュメの書き方、キャリアアップのアドバイス、そして米国の代表的なIT企業におけるPMの位置づけに至るまで、まさに多岐にわたります。またPMという職務の性質上、リーダーシップを発揮して働くというロールモデルが提示されていますから、すぐにPM職への転職を考えているという方だけでなく、将来リーダー的な立場で活躍したいという方にも参考になるでしょう。
著者の2人はプロダクトマネジメント、およびPM採用プロセスの現場に深く関与してきた人物であり、その知識量は半端なものではありません。アドバイスも実践的で、まさに本書でしか得られないノウハウが数多く見つかることでしょう。
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すでにPMのようなことをしている人にとっては後半部分に多く割かれている面接のHow Toは必要のない情報かもしれない。しかし、面接する側としては参考になるかもしれないので、要チェックの可能性もある。
縁あってGoogleのAPMの人たちに会った事がある。
彼らは皆コンピューターサイエンスの学位を取っている人ばかりだった。その事実と本書がマッチングしてとても説得力のある内容だなと感じている。
私はコンピューターサイエンス出身でもないのだが、このようなテクノロジーに関わる身として最近感じる事は、どんどん後だしじゃんけんのように学校から輩出されてくる人間の力量が上がってくるので、そのスキルを持つ人とうまく協調して、よりよい方向に舵を切っていけるような準備が必要なんじゃないかと思う次第。
本書自体はそんな準備をするための心構えや諸々を指摘してくれたので、とても良かった。あ、ちなみに私はKindleで読んだが、字が小さいので、書籍で読んだ方が良いという知見を書いておきます。
■目次
1. はじめに
2. プロダクトマネジャーの役割
3. 企業
4. 良い経験を積む
5. キャリアを進める道
6. 面接の舞台裏
7. 履歴書
8. リアルな履歴書: ビフォー&アフター
9. カバーレター
10. 企業研究
11. 自分の特徴を明らかにする
12. 行動に関する質問
13. 見積りに関する質問
14. プロダクトに関する質問
15. ケースに関する問題
16. コーディングに関する質問
17. 付録
謝辞
索引
著者について
2015年7月25日土曜日
あぁ、監督を読了
とある事情から野村さんの考えを知りたくて、本書を読んだ。当初の思惑とは異なって、入れたい項目は見当外れだったものの、野村さんの考え方を知る事ができたのはシメたものだった。
彼のプロでの成績の根幹や他の監督の評、そしてID野球と呼ばれた際にスコアラーを鍛えた話は非常にシンパシーを感じた。
今のデータ分析に足りないのはこれなのだな。
また、人を遺してこそ監督であるという話にはとても共感したし、その行き着く先が安岡正篤先生だったことで、心理的な距離が縮まった。(というか、まあ師事していた人が参照していた先が同じという事で距離が縮まったと思っただけ)
プロ野球は広告モデルの依存のままに、多少は脱却しているものの構造改革はできていない。後継者不在の項目におけるぼやきはまさにシステム不均衡だろう。
このような名物監督が減ったのは残念だが、それもまた時代なのだろう。
■目次
まえがき
監督には四つの敵がいる
マスコミと監督
第一章 監督の条件
「監督業」に殺された蔭山さん
なぜ名参謀は名監督になれないのか
監督の器ー人望・度量
貫禄と威厳
表現力
決断力
名捕手が名監督になるわけ
古田が失敗したわけ
落合は名監督の器か
監督の敵
第二章 私が見た「名監督」たち
選手が動かす六つのファクター
恐怖と情感にあふれていた星野仙一
怖さと情熱と科学の人、西本幸雄
二流選手から名将になった上田利治
ブレイザーに好影響を受けた、古葉竹識
絶対的な指揮官、広岡達郎
揃った戦力を使うのに卓越していた森祇晶
人格者、王貞治
親分・鶴岡一人
革新性ももっていた鶴岡監督
知将・三原脩
ダンディな勝負師、水原
六つのファクターをすべて持っていた川上哲治
九連覇を支えた人間教育
第三章 間違いだらけの監督選び
迷走したWBCの監督選び
人材不足が監督選考を難航させた
間違いだらけの監督選び
タレント性
西武・渡辺監督と巨人・原監督の違い
順番性
短くなった監督の賞味期限
監督養成システムの崩壊
人材不足を象徴している外国人監督の増加
なぜ知将が少なくなったのか
限界を知ることの大切さ
監督講習会を実施せよ
WBCは勝てるか?
第四章 野村流監督心得
青天の霹靂
ブレイザー・ヘッドコーチ
「日本人は何も考えていない」
チーム掌握の第一歩は意識改革
監督は選手と距離を置くべき
「死んだふり」で三位から日本シリーズへ
コーチより評論家を経験すべき
無意識に監督の仕事をしていた評論家時代
監督は言葉を持て
編成との意思疎通
適材適所は才能に勝る
スコアラーには「表現力」を問う
一に準備、二に準備
ほんとうの無形の力とは
接線を制する四つの要素
知力がぶつかりあった森西武との日本シリーズ
「野村の考え」が浸透して勝ち取った日本一
第五章 人を潰してこそ、真の名監督である
財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を潰すと上とする
監督の仕事は「人づくり」
己を過信すれば成長は止まる
無視・賞賛・非難
人はプロセスでつくられる
2015年7月19日日曜日
僕がコントや演劇のために考えていることを読んだ
ラーメンズで知られる小林さんの書籍。
なんかふとタイトルに感情が符合したのか、手に取ってみた。
アーティスト、クリエイターなどと呼ばれる人は数多くいれど、小林さんはすごくストイックに作品に対して追求を行っている様が本書から読み取れた。
実は私もここ数年、今まではまったく接点のない舞台という場所を知人の出演をきっかけに何度か行く機会があって、その稽古の内情や実際の演技を見る事ですごく勉強になったという経験があり、本書は非常に興味深い内容だった。
ラーメンズというコンビは知っており、学生時代に一部の知人は熱狂的だったが、ミーハー色の強かった僕はあまりちゃんと見た事がなかった。
でも、その当時のTVを通したメディア虚像の葛藤に関しても記載があり、当時何かしら情報を入れなかった事はある意味でよかったのかもしれない。
興味が湧いたので、直近の舞台スケジュールを確認したが、チケット取れないっぽい。
機会を作って小林さんの舞台を真摯に受け止めにいきたいと思える良書だった。
今の個人的なチャレンジともミッシングリンクしており、とても良かった。
■目次
小林賢太郎という職業
「面白い」の領域は無限
つくり方をつくる
テレビにはあんまり出ないようにしています
小林賢太郎は劇場にいます
予備知識のいらない笑いであること
人を傷つけない笑いであること
耐久性のある作品であるために時代を反映させない
情報を制限して、観客のパーソナルに入り込む
アイデアは思いつくというよりたどりつくもの〔ほか〕
動じない。を読了した
王さん、広岡さんの元プロ野球選手と合気道の藤平さんの鼎談が収録された書籍。
個人的には、ゆとりを持つ事が全ての物事において重要であるという考えであったので、そういうところの琴線に触れたのか、読んでみた。
内容の抜粋がとてもいいので、メモ
・力に頼るのではなく、力の抜き方を知る
・最も望ましい形を先に作り、一瞬で移る
・どんな球が来ようとも「知らんぷり」して待つ
・無意識にできるまで正しい練習を繰り返す
・無心で物事に取り組む人こそ「伸びる人」
・「氣の呼吸法」で深く静かな呼吸を身につける
・プラスの言葉で潜在意識をプラスに保つ
・猛練習で疲れ果てたときこそ、わかるコツがある
・優れた指導者は話術でやる気を引き出す
・教えるとは「気づかせること」
最近、スポーツのプロフェッショナルの書を多く読むのだが、けっこう暗示的に「氣」の使い方に関してが書かれているような気がしている。
本書では合気道なので、「臍下の一点」といった言葉に集約されている。
現代の世の中は、どこか力んでいるような風潮があり、若干の息苦しさを覚える気がしている。
そういう中で、力の抜きどころをみんながもっと理解して会得すればよりよい社会になるんじゃないかなぁと、雑に思うなどした。
後半からは指導における内容になるんだけど、これはこれで参考になる箇所も多かった。
技を会得して使うというプロの話は直接は活かせない面も多いが、抽象化したエッセンスは共通だと思うので、何かしら活かせればいいな。
■目次
第1章 どんな変化球にも動じない「静」の境地
第2章 「臍下の一点」に心を静める
第3章 教える人と教わる人の信頼関係
第4章 「リラックス」こそ最強
第5章 「氣の呼吸法」で「氣」を出す
第6章 「必ず、できる」を信じて
2015年7月4日土曜日
NO LIMIT ノーリミット 自分を超える方法を読了した
栗城さんは登山家である。
アルピニストというのも色々なタイプがいるのだと思うけど、彼は無酸素単独登頂というかなり過酷なプロセスを選択して世界中の山の登頂にチャレンジしているようだ。
そんな彼の生き様の片鱗を垣間見えるような本書はなかなかスリリングな内容だ。
■目次
限界を超える
一歩を踏み出す
すべてに感謝する
「足りない」を楽しむ
否定される
少しずつ、小さなことを続ける
すべてには終わりがある
窮地に飛び込む
苦難を楽しむ
困難な目標を立てる〔ほか〕
自然と対峙するということは、馴染みがあるようで底知れないものがあると感じる。
私もスキーという競技を通じて自然と対峙してきた経緯がある。
まあ、所詮日本の山なので標高2000メートル程度といったものである。それでも、自然と我が身で相対すると絶句するようなこともある。
栗城さんはエベレストと対峙している。
標高8848mである。次元が違いすぎる。
そんな彼が、登頂にチャレンジするプロセスにおいて開眼した内容をコンパクトにまとめてくれている。非常に刺激的な内容だった。
私はリスク回避型なので、絶対にこのようなチャレンジはしないだろうが、こういったことができる人は尊敬する。死と隣り合わせの際に、さらにリスクを取れる選択肢は取れないからだ。
でも、本質を冷静に考えてみると、どの段階でも一緒なのかなとも感じた。
雑感ではあるが、栗城さんにキャンプから指示を出すオペレーターは毎回辛い思いをしているんだろうなと感じた。
そういった人の決断のプロセスをたどれるような書籍が出たら読んでみたい。
山に関わる人だけでなく、ちょっとした壁に悩んでいる人は読んでみると痛快だと思う。
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