2012年5月27日日曜日

個人的に欧州フットボール11-12シーズンを振り返る

今週のFootballistaの特集で今期の総括が行われていたので、色々と考えてみたい。

欧州CLではスペインの2強がベスト4に残った段階で、この2チームによるクラシコがアリアンツアレーナで催されるものという見方が大勢を占めていたが、蓋を開けてみたら、その対抗のチェルシーVSバイエルンというカードとなった。そして、チェルシーが初の戴冠となった。

戦術の流れから見れば、バルセロナのポゼッションに対抗したイタリア人指揮官による”守”のチームが勝ったという見方もできる。しかし、新しい潮流になるかと言えば、そうでもない。

記事にも書かれていた通り、今期のそれはバルセロナの自らに課した高すぎる設定が自身を苦しめただけに過ぎず、カウンター1発の戦術がそのまま有用かと言えば、そうではないのだ。

バルサのフィジカルコンディションが整ってしまえば、10回に9回はチェルシーは負けただろう。(たられば論で恐縮だが)

それほどにペップの展開した戦術的柔軟性と選手の成熟具合は見事だった。
それに伍して戦い、リーガを制したモウリーニョはやはりスペシャルワンだということを知らしめた。スター軍団のそれは、安定した守備を見せることはなかったが、ビッグマッチになればなるほどロナウドのようなスター選手も守に奔走するなど、彼がロンドンで体現した4-3-3のウイングシステムの完成形を見れた気がしたからだ。

そして、スパレッティのインタビューにもあるが、彼の始めたゼロトップシステム(ローマ監督時にトッティがその役を担った)はバルサのそれに通ずるところがあるが、それが故にメッシ依存を高めてしまった。裏を返せば、それほどまでにメッシを活かせるシステムはなかったという視点は面白かった。

似て非なるものではあるが、ACミランがこれに通ずるシステムになってきている。
イブラヒモビッチによるゲームコントロールがフィジカル系トップ下の潮流を生み出している。これはかつて、ピルロをレジスタに配したミランならではと感じた。
ミランはベテランが一斉にチームを離れることが決まっているため、その世代交代にも非常に興味深いところだ。ガットゥーゾ、ネスタ、セードルフ、ザンブロッタ、ファン・ボメル、インザーギなどが離れ、獲得はモントリーボとトラオレのみ。この夏の補強は興味深い。

さて、そんな流れからドイツではドルトムントが2連覇を果たした。
ここでは香川が取りざたされることが多いのだが、Footballistaではフンメルスのゲームメイクが取り上げられている。シャヒンの移籍に伴い、ギュンドアンにその役が託されたが、残念ながら彼にはそのタクトは重かったようで、前半はあまり調子が優れなかった。またゲッツェの離脱などもあり、浮沈が危ぶまれたが、2年目の香川の成熟とレヴァンドフスキの覚醒。そしてフンメルスのCBからのゲームメイクがはまった格好。
個人的には香川にはもう少しここに留まってもらい、来季のCLでミランとドルトムントの戦いが見てみたいと思う次第だ。(ミランが様変わりしてる恐れあるけど)

あとは、ELで残念ながら決勝で破れたものの、ビルバオの躍進も注目だ。
ビエルサの緻密な戦術とバスク人の運動量によって躍進した今期だったが、来期はより魅力的になるかどうか。まずはジョレンテ、ムニアインなどを引き止めるのが先決だが。ハビ・マルティネスなんかはもう出て行くのか。。ゾーンに対してマンツーマン回帰である戦術が今後採用されていくのかどうか。。そこも見所。

まずはEuro2012があるので、あまり動きはないだろうけど、それが終わると移籍マーケットが本格化するだろうし、そこから来期の状況を色々と考えてみたい。

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