2012年5月5日土曜日

コンテンツの熱量とロジャーズの普及理論

大変に興味深いエントリを見たので、少し綴る。


カツマーブームを作った勝間和代が語る終わコン本「「有名人になるということ」」書評

@gamella さんのブログはいつもうならせてくれる内容なので、随時チェックしているのだが、今回の内容も非常に興味深かった。

この書籍バブル論に関しては、なんとなく感じていたことに、茂木さんや池上さん、勝間さんの書籍の出方と新書のブームの時期に起こったことだし、個人的にもどこか引っかかることがあったように思う。

マーケティング界隈で通例となっているロジャーズの普及理論(製品プロダクトライフサイクル)のフレームワークと今回の起こった事象が関連づけられている点に興味がある。

参考:ロジャーズの普及理論


出典:アーリーアダプター

まずはその執筆者がこういった問題意識を持っており、ブログで言及していたことに大きな驚きがあった。やはりそうなのかと。

さらに、下流まで普及していくスパンが2年程度という内容も興味深い。
日本人はミーハー気質な人間が多く(僕もそうだ)いるので、もっと早いのかと思ったが、消費に関わる時間を考慮すると2年ということは非常に実感がある。

で、ここから僕のシナプスがつないだ事象が1つある。

このGWに起きた関越自動車道でのバス事故である。
これに対し、レオス・キャピタルの藤野さんが下記のように書いている。

高速バス事故の「事故の責任」は、あなたにも私にもあるかもしれない。ブラック企業を生み出す「ブラック消費者」という問題

日本では、「お客様が神様」という商慣習がどこかであり、その目が肥えた消費者が故、きめ細やかな製品が要求され、プロダクト品質の良いサイクルが生まれる面もある。
しかし、その反面、ニッチなところには価格ダンピングのような圧力も働き、その価格の引き下げとともに製品クオリティも低下し、先の事故のような悲劇も生まれる。

古代の経済学に寄れば、アダム・スミスは「神の見えざる手」により決まると賜ったが、
まさにそれが働いている。そこにモラルの介在はないため、モラルハザードが起こってしまっている。

子供の日によったのかどうかはわからないが、本日の消費者庁がガチャ規制をしたようだ。

消費者庁がソーシャルゲーム『グリー』や『モバゲー』のコンプガチャを景品表示法で禁止と判断! 中止要請へ

個人的には、モラルハザードを助長するようなビジネスに対し、何でも規制をかけるお役所仕事は好きではないのだが(臭いものに蓋をするだけだから)、実質的に即座の対応策が求められる場合は仕方ないのだろう。リーマンショック時のバーゼルⅢも同じようなイメージ。

昨今は高度なテクノロジーがコモディティ化し、ますます複雑高度な時代になってきているため、消費者を保護するというマネジメントしやすい方向に流れてきているのだが、その結果、コンテンツ消費に対して、プロ級の消費者を育成し、生み出すものが苦しい時代へと変遷していっているのではないかなぁ。。。

アウトプット志向を啓蒙しなければシュリンクしてしまうような気もすると警鐘を鳴らしたいが、僕にできるのはブログに書くことくらいなので、なかなか難しいですなぁ。
以上。

0 件のコメント:

ページビューの合計