2011年7月31日日曜日
「明日の広告」を読了しました!
元電通のクリエイティブディレクター、サトナオさんの著書。
次世代マーケティングリサーチを書いた萩原さんをして、名著といわしめた本書は、大変気になっていた。
新書であり、2008年の本。だが、今を取り巻く環境をするどく洞察しているとてもよい内容だった。
目次を列挙する。これだけで、なかなか満足の内容だ。
はじめに ~「なんだか小難しい時代になっちゃったな」とお嘆きの貴兄に
第1章 消費者へのラブレターの渡し方~広告という名の「口説き」の構造
広告は消費者へのラブレター
ラブレターを普通に受け取ってくれていた時代は楽だった
いまやラブレターを受け取ってさえくれない
モテない人はどうやってラブレターを渡せばいいか
もっと相手をよく知り、しっかり手渡しする
ラブレターは渡したあとも大事
購入後にこそ、ブランド・イメージができる
軽いつきあいと重いつきあい
自己変革でモテを目指す
ラブレター職人で本当に満足してる?
第2章 広告はこんなにモテなくなった~変化した消費者と広告の20年
広告がモテていた古き良き時代
CMという「部品」への疑問
インターネットの出現
消費者の逆襲としてのインターネット
ヨコでつながり、ボトムアップする
ネットとは、商品の真の姿を映し出す「ラーの鏡」
ネットの出現+情報洪水+成熟市場
疑い深い消費者の登場
もう消費者はお茶の間にじっとしていない
「友達・好きな人・信頼できる人」という強力なメディア
消費者の発信が世の中を変え始めた
広告は素人投稿ビデオに勝てるか
受け手から送り手へ。ターゲットからパートナーへ
消費者は変わった。広告も変わらないと!
第3章 変化した消費者を待ち伏せる7つの方法~彼らと偶然を装って出会うために
気まぐれにメディアを渡り歩く消費者をどこで待ち伏せるか
(1)消費者のコンタクト・ポイントで待ち伏せる
(2)新しいメディアを創って待ち伏せる
(3)クチコミを利用して待ち伏せる
(4)CGMで待ち伏せる
(5)エンターテイメントの中で待ち伏せる
(6)検索結果で待ち伏せる
(7)メディアをニュートラルに考えてクロスに待ち伏せる
これらすべてを使ってコミュニケーション・デザインする
第4章 消費者をもっともっとよく見る~コミュニケーション・デザインの初動
その人のことをきちんと知ろうと目を凝らし、耳を澄ます
消費者本位という視点
「伝えてもらいたがっている人」のことをリアルに想像する
あるクルマの話
初動で徹底的に消費者を分析すること
F1M1なんていう消費者はいない
高校生=モバイル?
買いたい人を作り出してしまう
第5章 とことん消費者本位に考える~スラムダンク一億冊感謝キャンペーンより
スラムダンク一億冊感謝キャンペーン
それはこんなオリエンから始まった
星野仙一「阪神優勝感謝広告」との違い
「ありがとう」を伝える相手に目を凝らし、耳を澄ます
もうスラムダンクは井上さんのものではなく、彼らのものだ
キャンペーンは自然とメディア・ニュートラルになっていた
めちゃめちゃ閉じた新聞広告
めちゃめちゃ不親切なウェブサイト
めちゃめちゃ限定して告知したイベント
ほか
どうだろうか?
大変に興味の湧く内容ではなかろうか。
個人的に、本書のポイントは2点だと思う。
1、傲慢になるな。消費者を取り巻く環境は変わっている。それを着実にとらえ、それを上回るアウトプットを出すことが重要
2、悲観的になるな。どんなものでも魂を込めて熱く取り組め
Web2.0からクラウドやらソーシャルなんかがはやったことで、環境はまさに激変中なので、サトナオさんのこの指摘を胸に日々取り組みたい。
おすすめです。
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