バルセロナでの指導経験のあるジョアン・サルバンスというスペイン人の本。
タイトルはあくまでそのコンセプトであり、本質ではない。
個人的には、バルサもとい、クライフの哲学を説明し、その育成システムについての解説書なのだと思って読んだが、少し意外な内容だった。
たしかに、彼がスペイン時代に指導したカンテラの話は出てくる。メリダやボヤン、ジョナサン・ドスサントスなどへの指導の仕方や接し方などを詳細に記載してくれている。
これはとても参考になった。いわゆる選手に応じた指導を実践しており、日本人の画一的な指導とは対照的なものであるからだ。
ジョアンは日本の育成システムについても警鐘を鳴らしている。
これはサッカー批評始め、多くの人が問題意識を持っている。
制度はすぐには改善されないが、いずれよくなっていくだろう。
問題は、高校などでの指導者がこういった考え方に触れることができるかどうかに尽きる。
まあ、外野が騒いだところで、もう動いているんだろうという楽観な見方はしているのだが。
スカウトの日本とスペインの定義の違いはうなった。
無名からの発掘。たしかにそうである。育成を中心とした選手発掘なのだ。
これは企業の人材育成においても、同様のことが言える。
近視眼的な採用ではなく、そういった育てるということを認識したことが必要。
全てのファシリテーターはジョアンの考えに触れるべきかなと感じた良書だった。
☆4つ。
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