以下、リンク元より引用。
スライド目次
1、産業構造ビジョン(仮称)の検討について
・産業競争力部会の設置
・主な検討事項
なぜ、技術で勝って、事業や利益で負けるのか?
設計・開発・生産現場は国内に維持できるか?
成長新興国市場のインフラ需要・ボリュームゾーンに対応できるか?
環境・エネルギーニーズをビジネスに活かせるか?
医療・介護・健康・子育てのニーズをビジネスに活かせるか?
地域に産業発展モデルはあるのか?
新たな成長産業(戦略分野)の提示
主要産業の将来像
これからの産業政策の方向他
2、産業競争力部会の問題意識
• 日本経済の行き詰まりは深刻。
– 世界における日本の経済的地位は低下。一人当たり豊かさも低迷。
• この行き詰まりは一過性のものではなく、3つの構造的問題が存在。
1. 産業構造全体の問題
2. 企業のビジネスモデルの問題
3. 企業を取り巻くビジネスインフラの問題
• この構造的問題を克服するためには、単なる対症療法ではなく、政府と
企業が持ちうるすべての叡智を結集する必要がある。
•本審議会では、こうした問題意識の下、「今後、日本は、何で稼ぎ、雇用
していくのか」について検討を行う。
■日本経済の行き詰まり
世界の中で、日本の経済的な地位は低下している
市場の中心は新興国にシフト
所得分配による内需拡大には限界
海外進出の進展と国内事業活動の低迷
今後、海外シフトが更に進展①
地方経済は、ますます深刻化
雇用については、短期的には「量」、中長期的には「質」が課題
■産業構造全体の課題
パイ(所得)の拡大はグローバル製造業に依存。特に自動車に大きく依存
労働生産性は上昇しているが、雇用者所得は横ばい
就業者数で、グローバル製造業の比率は低い。先進国はどこも低下傾向。
グローバル企業とそれ以外の業種の一人当たり付加価値額が乖離
我が国の輸出依存度は低い
日系企業は低収益体質
日系企業は同一産業内にプレイヤーが多数存在
日本と韓国の比較
• 我が国産業は、韓国に比して、自国市場に占める企業数が多く、国内で消耗戦。
• 韓国企業は自国市場を足場に、グローバル市場に向けて大胆で迅速な投資戦略。
韓国におけるビッグディール
• 韓国では、97年の通貨危機を契機に、財閥企業の過剰多角化を解消するため、政府の強い
関与の下、産業の大集約を実施。(産業サイドの対応)
• 日本では、85年の円高危機に対し、公共投資を中心とした内需拡大で対応(需要サイドで対
応)。この結果、過剰供給構造を温存。
企業の少子高齢化(進まない起業、増える廃業)
地域のものづくり中小企業群の格差が拡大
■企業のビジネスモデルの課題
世界市場の伸びに伴い、日本のシェアが急速に縮小
世界の付加価値獲得戦略の推移
日本産業の行き詰まりの構造問題
• 従来モデル(垂直統合自前主義による、商品改良・原価低減モデル)の限界。
世界市場が伸びても、日本がシェアを維持している例
・摺り合わせを維持(自動車)
→ 電気自動車が普及してモジュール化が進展しても対応できるか?
・クローズ/オープン戦略成功型(デジタルカメラ)
→この成功モデルを、今後の新技術に適用できるか?
デジカメのクローズ/オープン成功戦略
出所:東京大学:小川紘一教授資料
海外企業は標準戦略の仕掛けで競争優位を構築
• 海外有力プレイヤーは「ブラックボックス」と「オープン」を合わせた標準戦略の仕掛けで
競争優位を構築。
■企業を取り巻くビジネスインフラの課題(産業の立地競争力)
外国企業による拠点機能別の評価(日本の立地競争力が低下)
• 2年前に比べて、日本はあらゆる機能でアジアの中核拠点としての競争力を急激に失った。
日本の事業コストが高い①
○我が国企業の実際の法人課税負担(※表面税率から政策減税等の調整を行った後の財務諸表ベース)
は国際的に高水準(ほぼ10%程度の差)。
要因: ①米国と並んで世界最高水準の表面実効税率
②諸外国と比較し規模の大きくない政策減税
日本の事業コストが高い②
○我が国港湾インフラの競争力は、低迷している
日本の事業コストが高い③
○航空貨物の取扱いにおける成田の順位は低下している。
我が国人材の競争力①
• 科学・工学系博士号取得人材の数は、米国の約4分の1と少なく、また人口が少ない英独よりも少ない。
我が国人材の競争力②
○日本における高度外国人材の国内労働市場への流入は先進国で圧倒的に低い。
我が国人材の競争力③
○留学生や高度外国人材の受け入れも主要国と比較すると圧倒的に低い水準。
日本の金融市場の国際競争力
○日本市場よりも、ニューヨーク、ロンドンなど大市場のほうが国際的に魅力がある。
○アジアにおいてもシンガポールなど、新興国の市場に追い越されている。
■諸外国の産業政策の積極化
(1)特定戦略分野へのターゲティングポリシー
(2)企業立地支援競争
(3)大規模インフラプロジェクト獲得のための官民一体となった取組
諸外国の産業政策の積極化1.特定戦略分野へのターゲティングポリシー
○米国では、今後、成長が見込まれる環境・ライフサイエンス等の分野に集中投資。
○韓国では、未来の経済成長の原動力となる事業への集中投資を加速
○英国では、金融の一本足経済からの転換を図るため、特定産業の支援を積極展開。
○フランスでは、年間約500億円の特別財源を基に、コンテンツ開発、人材育成等を支援。
○ドイツでは、太陽光発電を始め、環境・エネルギー分野への集中投資を加速。
○中国では、産業の高度化を図るための十大産業(自動車、鉄鋼、紡績、設備製造、造船、
電子情報、石油化学、軽工業、非鉄金属、物流)や文化産業を集中的に支援。
諸外国の産業政策の積極化2.企業立地支援競争
○この10年間、グローバルな企業獲得競争のため、先進国は法人税率を約10%引き下げ。
アジアも約3%引き下げ。
○他方、日本は約40%で高止まりのまま。
○米国では、次世代自動車用のバッテリー・部品製造等の工場立地費用を補助(再掲)。
○英国では、北東イングランドに低炭素自動車分野で「低炭素経済地区(LCEA)」を指定
し、今後、R&Dセンター建設等に対する投資インセンティブ(補助金等)を検討中。
○ドイツでは、国内立地しようとするほとんどの製造業とサービス業企業が建物及び装
置機器の導入に要する経費等を補助(上限最大50万ユーロ、最大50%補助)
諸外国の産業政策の積極化
3. 大規模インフラプロジェクト獲得のための官民一体となった取組
■日本の産業構造の方向性
マクロの需要サイドから浮かび上がる産業構造の方向性
方向1.日本全体のパイの拡大のため、グローバル製造業がグローバル競争で稼ぐ。
(ビジネスモデルの転換、立地競争力の強化、産業の集約化)
方向2.特定グローバル製造業以外の産業が、新興国の成長市場につながる。
<今後新興国で拡大する需要>
(1)インフラ需要=電力、鉄道、水、省エネ、都市開発等
(2)衣食住と文化消費需要
日本の文化、感性、信頼性を活かした、ファッション、食料品、観光、
アニメ等の「感性・文化産業」
(3)ボリュームゾーン、ネクストボリュームゾーン
方向3.社会課題を先取りした産業、投資が伸びる。
→環境・エネルギー、少子高齢化対応ビジネス
産業構造の現状
<グローバル市場> [製造業]
・シェア喪失
・生産・調達は海外に移転
・ピラミッド構造の崩壊でジリ貧
<国内市場> [サービス業]
・内需低迷でジリ貧
・高齢者向けサービスなど、潜在需要に応えられていない
潜在力を持ちながら、海外マーケットとつながっていない
目指すべき産業構造の方向性
1.従来のグローバル製造業以外の産業を、海外マーケットにつなげる。
2.マーケットのニーズに対応するために、製造業とサービス業の垣根を越える。
今後の付加価値獲得3分野
「材料~製品」
最終製品を見据えて、
①基幹技術の抑え込み(摺り合わせ・ブラックボックス化)と、
②インターフェイスの標準化・オープン化
③世界的プレーヤーのネットワークへの食い込み
「最終製品」
成長新興国のマーケットニーズに直結して、感性・文化・信頼性を商品に
「アフターサービス・運営・課題解決システム提供」
単品売りから、
①新興国の求めるシステム輸出
②環境・エネルギー、シルバーの社会ニーズを解決するソリューション提供
日本の将来を創る、戦略分野の提示
今後の戦略分野
Ⅰ. アジアの所得弾力性の高い産業(インフラ、衣・食・住のボリュームゾーン)
Ⅱ. 炭素生産性の高い分野
Ⅲ. 少子高齢化による市場拡大分野
以下の戦略分野について、
①現状と課題、
②世界の市場や主要プレーヤーの動向、
③主要国の動向、
④日本の主要プレーヤーの動向と戦略、
⑤今後の方向性・将来像と行動、を提示。
(1) 新興国インフラ開拓
(2) 次世代エネルギーソリューション
(3) 社会課題解決サービス
(4) 感性・文化産業大国(地域の感性・文化を新興国市場につなげる)
(5) 先端分野
この現状分析は非常に優れているようなので、ここからのイノベーション=打開案は検討の余地があるだろう。確かに、提言がぼやけているように思える。
とりあえず、メモ
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