2010年3月9日火曜日

戦術的ピリオダイゼーション理論

FCバルセロナ スクールコーチの村松さんの著書。

少し時期が遅れてしまったが、これを手に取ったのは、日本代表の東アジア選手権での体たらくが契機である。

大きな目次
1、スペインのサッカーは何が違うのか?
2、育成に関する違い
3、FCバルセロナと日本の違い
4、戦術的ピリオダイゼーション理論とは
5、戦術的ピリオダイゼーション理論の実践方法
6、日本がワールドカップで優勝するために

こういった構成になっている。

前半部分は、日本サッカーの強化のためにスペインに渡った村松さんの経験的なところが多く、書かれている。
スペインのサッカー文化についてもあり、興味深い。

個人的には4章からの戦術的ピリオダイゼーション理論に目から鱗だった。

一言で言うと、上記の理論とは、「サッカーはカオスであり、フラクタルである」ということ。
内容についてはぜひ本著を読んでもらいたい。

本質的なサッカーへのアプローチを指摘した村松さんは素晴らしい指導者になるだろう。

彼の理論は、オシムさんの練習メニューにも通ずるところがあるので、やはり欧州のサッカーに対する理論は進んでいるのだなぁと感じた。

サッカーはサッカーをすることでしか上達しない。

日本代表の球際の競り合い、そしてゴール前での迫力不足、言われたことしかできない展開力のなさのすべてがこれに収束するのでは?と思うほどだった。

おススメ。


村松氏の著書を読んで出てきた「戦術的ピリオダイゼーション理論」。

これは少し言及せねばならないだろう。

YouTubeに勉強会の模様があがっている。リンクをメモ(http://www.youtube.com/profile?user=okajaki421#g/u)

さて、「戦術的ピリオダイゼーション理論」とは、すなわち、サッカーはカオスであり、フラクタルであるということである。

カオス、フラクタルについては、下記のwikiリンクよりどうぞ。

カオス理論
フラクタル


と、こんな投げっぱなしではいかんので、簡単に咀嚼しておくと、要は

サッカーは、特に決まった法則なんかもなく、無秩序なんですけど、プレー全体からプレーの一部を切り出してもそこに関わるファクターは無数にあり、いずれも共通している

ということである。

だからなんだ?という質問が来そうである。

よく考えてみて欲しい。日本のスポーツトレーニングは"要素還元主義"的なバリエーショントレーニングが多かったりする。それは、サッカーの練習なのにボールを使わないトレーニングがあったり…などといわれることである。

ボクはスキーをやっていたので、そこのバイアスがかかるのだが、スキーも雪山でやらないトレーニングをいくらこなしても、スキーの上達にはつながらない。要は滑らなければうまくならなかった。

また、局所的な滑り方(ex.コブ)もそこに入らなければいつまでも上達しない。

それと同義がサッカーのそれである。

要は、技術はあるけど、サッカー下手ってのは、日頃から真剣勝負(ガチ)でやる試合が少なすぎるってこと。
まあ、提言などが色々と出され、個人にも浸透しているので、少しずつ改善はあるだろう。

これをビジネスに転用しても、そのまま使えそうだ。

要は、世の中フラクタルなのだ。

初期条件の違いによって、影響力はだいぶ波及する。
時間という軸を固定してしまうと、影響は他へおよぶが、動的になると、自分のその後の時間に影響する。あー怖い。
急がば回れと言うが、その目標点(中間でも)を見据えて日々を過ごさないととんでもないことになりそうだ。

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